反撃へ
赤龍は再び、空へと舞い上がる。
「まずはこの龍の群がどこから来たかだが―。」
「メノヒカリヒノヒカリ」
ミーリャが呪文を唱える。
「どこから来たか分かった。ここから南西45キロのところに船がいる。大きさは300メートル位のやつが8隻。」
「エセックスかエンタープライズ級か。」
「えっ?」
「いや、こっちの話だ。よし。「アラスカ」をそっちに向けろ。」
赤龍を南西に向けると同時に、「アラスカ」が艦隊から離れて南西に進路を変えたのが見えた。
赤龍は凄い速さで南西に向かう。
15分程飛んだ時、雲の隙間から8隻の大型艦が見えた。
(アドミラル・クズネツォフ級に似た形だな。変な飾りが艦橋付近に1個ついているが。1隻の空母から飛び立った赤龍の情報を元に、残り7隻から発艦して皆殺しか。)
と、斜影は考える。
7隻の空母は今まさに、飛行甲板へ赤龍が出てくる所だった。
「赤龍は火の弾を口から吐くわ。」
「なら、火の玉をあの7隻の船の穴が見えるか?あそこに一発ぶち込め。俺は何もいない1隻の船に乗り込んで中で火事起こしてくる。」
「無茶なのはどっちよ。」
ミーリャが言った。
「やれるか?」
「やるわ。」
ミーリャは斜影にマントを渡す。
「敵兵から奪った物よ。うまくやってね。10分以内に船の上に戻ってきなさい。」
「ああ。必ず戻ってくる。」
赤龍が火の玉を撃った。
見事に7隻の空母の飛行甲板の穴に命中し空母は損傷した。
「行くぞ!」
斜影が高度を落とした赤龍から残りの空母に乗り移る。
「おいヒンマ。何をして―。」
と、空母の乗組員が言うが、何ふり構わず89式5.56mm小銃を発砲。
(弾はノーマルマガジンに70発。多弾ショートマグが1本。無駄遣いするな。この他に発火用の火炎瓶が1本と、予備の油。)
斜影は艦橋に突入。
(機関室までは行けないだろう。ならば、弾薬に火を付ければいい。どうせこの船にCIWSみたいな物は―。)
「ブーン!」と機関砲の音がした。
(しまった!)
斜影は思い、甲板に飛び出すと、ただの飾りと思った物が実は対空機銃だったのだ。
「この!」
火炎瓶を投げつけると、見事に命中し火災が発生。それから小爆発を起こして煙が上がった。
(ミーリャ!降りてこい!)
ミーリャの乗る赤龍は少し離れたところにいた。
その間、甲板には兵士がウジャウジャ出てきた。
彼等との戦闘が始まる。
だが、竹槍のような物しか持っていない兵士より、銃撃のほうが強かった。
「来るな!クソ野郎どもめ!」
と、斜影は叫び発砲。
(ミーリャは何をしている!)
と思い、空を見上げると、何かが飛んでいった。
艦橋を見ると、デッキから兵士が魔法攻撃を行っているため、ミーリャは降りられないのだ。
「クソ!野郎ぶっ殺さないと、こっちも死ぬってことかよ馬鹿野郎!」
斜影は艦橋に再度突入した。
単純な構造だった。すぐに見取り図があり、階段1本で、管制塔部分と魔法攻撃を行っているデッキが繋がり、さらに言うと、斜影が今いる所から梯子で飛行甲板や兵士の居住区とも繋がっていたのだ。
(なら話は簡単。)
斜影は梯子の金具を壊そうとするがこれは89式5.56mm小銃でも壊せなかった。
(簡単に行かねえか。)
その時、背後に敵兵がいた。
「おわあっぶね!」
斜影は既の所で敵兵の攻撃を避けると、89式5.56mm小銃を発砲し敵兵を倒し、その敵兵の服や縄を使って敵兵を梯子にくくり付けて階段を登っていった。
階段を駆け登る間に弾切れになったマガジンを抜き、リロードする。
管制塔部分を突破し、一気に魔法攻撃を行っているデッキに突入する。
兵士との近接戦闘だ。
(ハンドガン持ってくれば良かったぜ。)
銃身の長い89式5.56mm小銃では近接戦闘に苦戦する。
物陰に隠れ魔法攻撃を回避し、89式5.56mm小銃をセミオートで撃つ。
敵兵は5人。
(5対1のクソゲーだ。だが、サバゲーと違い、喰らったら死ぬぞ。)
調子付いたのか、一人の敵兵が前に出てきた。
この機を逃さず発砲し、敵兵を倒すと残りの敵も倒しに行く。
「余所見すんなあ!」
背後から階段を駆け登ってきた敵兵が襲いかかる。
(裏取られてた!畜生!)
「グアッ!」
敵兵が悲鳴を上げて倒れる。
「余所見しているのはどっちよ!斜影!」
「ミーリャ。」
斜影に敵兵が気を取られて居る間に赤龍に乗ったミーリャが接近し、助けてくれたのだ。
敵兵の死体で階段からの扉を塞ぎ、残りの敵も倒す。
(地面と航空支援のツーマンセル。スゲエな。)
斜影は思いながら戦う。
最後の敵も斜影が倒した。
ミーリャの攻撃で動けなくなっていた所を、斜影が一気に飛び出て倒したのだ。
「クリア!」
ミーリャが降りてきた。
「さあ、攻撃開始よ!」




