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異世界サバゲーマー  作者: Kanra
契約と裏の顔
16/92

戦闘開始

 ペガサスは宮殿の裏に降り立つ。

 裏口から宮殿へ突入するつもりだ。

(どんな状況に置いても思考停止は避ける。皆殺しにしたら、死体の山を作るだけだ。今の俺の任務は、ミーリャ達を助ける人命救助だ。そのために止む無く敵を倒さねばならないが、それも最小限に留める。)

 斜影は自分に言い聞かせる。

 裏口の扉の前には敵兵が2人見張りに付いて居るだけだ。その手に発炎筒らしき物が握られている。これで緊急事態発生を伝えるのだろう。

「気付かれないように接近し、見張りを倒します。」

 と、マリが言う。

(くそ。いきなり2人殺さなければならないのか。)

 斜影は唇を噛む。

「見たところヘルメットを被っている。あの頭にデッカイ石でも投げ付けて気絶させよう。」

「いいえ。気絶させても目覚めたら終わりです。」

「あのな、銃声でバレんだろうが。」

「手段を選べません。殺るなら確実に。」

 マリが木の影と茂みを利用して敵兵に接近する。その後を、斜影も追う。

「お前が俺を撃った時、俺は死ななかったぞ。」

「やってみなければ、解りません。」

 マリがデザートイーグルを発砲。弾は敵兵の足に当たって、敵兵は飛び跳ねている。

 見たところ、出血している。どうやらマリが使っても殺傷力が生まれてしまっているようだ。

(クソ。殺ってやる!)

 斜影も発砲した。やはりショットガンの方が威力はあり、撃たれた相手は絶命した。

 倒れた敵兵から裏口の鍵を奪い、裏口の扉を開けて内部へ侵入する。

(近接戦闘を考慮せねば。今ここに、インパクトグレネードというものは―。)

「持ってきました。」

 マリが言う。彼女は斜影の自転車に積んであったインパクトグレネードを持ってきていたのだ。

「ただのカカシだよ。弾もガスも入れていない。これだと―。」

「この世界の人は、これは何なのか解りません。興味を示して拾いに来たところを仕留めます。」

「映画じゃねえんだよ。うまくいくわけねえわ。」

 マリは「映画」という単語が解らないようで困惑していたが、

「要するに素人の考えってことね。まあ、見てなさい。」

 と言った。

 建物内部に侵入するため、ドアに向かってマリがインパクトグレネードを投げつける。

 爆発はしないが、ドアに当たった音に驚いて敵兵が1人出てきた。

 マリがデザートイーグルでその敵兵を倒す。

(クソ。俺はヘタレか―。だが人殺しなんか出来ない。)

 斜影はスパス12を抱えているだけだった。

「早く行かないと、監禁陵辱されてしまうでしょう。」

 マリは言う。

「待て。闇雲にぶっ殺しても、仕方ないだろ。」

「まだ人殺しは嫌だと言うのですか。」

「違う。敵からミーリャ達が何処にいるかを聞き出す。それが一番ベストだ。」

(弾薬の節約にも繋がる上、殺す人数も最小限に止められる。)

 斜影は言いながら思った。

「分かった。それで行こう。ただし用済みになったら解かるね。」

 マリの言葉を聞きながら斜影は突入する。

 地下室への階段に向かう敵兵4人を発見。

 1人が気付いたが、叫ばれる前に斜影が発砲し、3人を倒して1人を瀕死の状態にした。

「娘は何処だ。」

 斜影が聞く。

「しらねーよ。この後地下でお祭りだって言う。もしかしてそれか。」

「地下だと?何をするのだ。」

「公開凌辱ショーだよ。」

「そうか。」

 斜影の顔が強ばった。マリはその姿を見て怯んだ。

(あの夢の斜影の姿だ。)

 と、思ったのだ。

(斜影は「映画」と言う物の一部をこの場で再現する。でも、この先にあるのはこの男の「死」だ。)

「情報を教えたら殺さないと言ったな?」

「知らねえよ。」

「なら死ね。」

 斜影は、ショットガンで敵の頭を吹き飛ばした。


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