■第16話 Go For It
【mosso】:もうずっと前から、ウチの親、モメてて。
別居してるんだけど。
母親がちょっと仕事の関係で、
家庭不和な感じを隠すためだけに
離婚しないでいたんだけど・・・
【グローブ】:ん・・・
【mosso】:父親が別のヒトと再婚したいみたいで。
いい加減ハッキリさせようって流れになってるらしくて。
母親は父親の再婚の事なんか正直どうでもいいみたいで。
まだ怒ったりした方が
愛情残ってるんだなって思うのに・・・
【グローブ】:そうだね・・・
ミノリが静かに相槌を続ける。
【mosso】:父親も母親もコドモのことなんか、全く頭になくて。
自分たちのことしか、頭になくて。
なんだかなー、って。
なんのために・・・、ってww
【グローブ】:誰かにこの話、したことあるの?
返事は少しの間、来なかった。
【mosso】:取り敢えず『頑張れ』って言われんの
目に見えてるでしょw
PC画面を見つめながら、ハヤトが寂しげに小さく笑う。
【グローブ】:わたしも、『頑張れ』って言葉、大っきらい。
だって、そう声を掛けられる人って、
もうだいぶ頑張ってるのに。
無責任で、押しつけがましくて。 大っきらい。
すると、ミノリが小さく微笑んで続けた。
【グローブ】:ねぇ、 ”ごーほい ”って知ってる?w
ハヤトが首を傾げる。
【mosso】:ごーほい??
【グローブ】: Go For It。 ごーほい。
”やってみるかな。 ”って意味。
多分、だいぶ意訳だけどw
わたしね、中学のとき。 ちょっと、つまづいて・・・
学校行けなくなっちゃった時期があって。
その時の担任が、言ってくれた言葉なの。 ごーほい。
頑張んなくていい。
まぁ、ちょっとやってみるかな、ぐらいでいい、って。
ハヤトが思わず泣きそうな目を向ける。
顔をしかめ、画面を睨むように見つめる。
【グローブ】:家が近所だったら、朝まで話きくのにね~w
ほら、ファミレスのドリンクバーで。延々ネバる、的な?w
【mosso】:そうだねw
キーボードを打つ指が震えて、思うように文字が打てないハヤト。
あとちょっとで雫がこぼれそうな目は、
そうならない様に必死に瞬きを堪えていた。