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勇者が無事戻ってきた。

ってか、嬉々として人の部屋をノックして入ろうとしたから蹴りを入れた後でリース商会に同行した。どんな理由があろうとも女性の部屋で二人っきりになろうなんて百年早いわ!


『で、これがクラーケン』

勇者はキラキラと何か過度な期待をした目で大量の白っぽい塊を出した。

この量が並ぶとビミョーにアンモニア臭がする。


『スゴい!これでなんか美味しいもの作れないかしら』

従姉の目もキラキラしてる。


カットして茹でてきたらしい。って言うか、聖剣でメッタ切りした後で、近辺の海水の温度を上げたって…………それなんて環境破壊。

しかも私 湯通しって言ったよね。茹でろとは言って無いはず。これどう見ても茹でてある。あ…………調理経験のない勇者に区別つくわけがなかった。

この場合、私が悪いのか?

いや、確認しなかった勇者だよな。きっとそうだ。


それはともかく、これどうするかな。

まだアンモニア臭するからさっと湯通しして、陰干ししてみるか。このサイズだとどうにもならないからなぁ。

で…裂いてみるか。つまみになるしな。個人的には不要だけど、マヨネーズも作って、一味か七味の唐辛子も用意したらオッケーかな。唐辛子はリース商会で持ってるだろう。

何より、あの一家は酒好き。飲む理由があれば断るハズもない。


それにしても、これだけの量のイカみたいなものを見ると食欲失せるのは私だけなのか………。


王都に帰ってから、乱獲で各地のクラーケンが居なくなったと聞いた。生きてるクラーケンを見ることは二度とできなくなった。一度目もないけど。

さきイカを作るより潜水艦を優先すべきだったのかっ!


げに恐ろしきは人間の食欲か………

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