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従兄はため息をついた。
『マリアンヌのおてんばもいくつになっても変わらないよね』
うーん。お転婆の賞味期限は何歳だ?22歳は範囲内かな。
『とりあえず、マリアンヌの赤毛がルネと違ってその程度で良かったよ。カスレの赤牛の最大の弱点なんだからさ。狙われるよ』
「あれの身内だなんて思われたくない。ってか、なんか恨み買ってるの?」
『あれでも盗賊団をいくつも潰してるんだよ』
「恨み残しちゃダメじゃん」
『…マリアンヌが言うと私ですら怖いわ』
従姉に怖いものがあったとは知らなかったよ。
「やるなら、踏みにじって反抗する気を起こさないようになるまで潰さないと」
『…マリアンヌ。この間の盗賊団に本当は何やったの?』
『マリアンヌも盗賊団を潰したことあるの?』
従姉兄たちが聞いてきた。うーん。どうでもいいことは忘れるしな。だってさ、私に迷惑がかからないような状態まで持って行けば、覚えてる必要ないじゃん。そうやってくだらないことは忘れて、大切な記憶を強化した方がいい。
で、変態赤牛と勇者のことを一番に忘れたいんだけど…なんだか難しい。
「あ…夕方は領主様へ挨拶か…面倒くさっ」
今、一番忘れたいことを思い出しちゃった。
『うん。マリアンヌのおかげで領主様とコネができてラッキーだわ』
『暴れ牛の妹で勇者の恋人。マリアンヌは商売の女神だね』
あんたら!
恋人なんていないぞって何遍言ったら通じるかな。
ってか、可愛い従妹のことを商売道具に思ってない?思ってるよね。私ならそう思うわ。………所詮は身内か。
使えるものは兄でも勇者でも使わなきゃ損だもん。
そっか、とりあえず市場巡りは兄にお小遣い貰ってからにしよう。
『マリアンヌ、一人歩きは危ないから止めてね』
「えっ?」
『外出時は騎士団かうちの護衛か勇者連れで』
「なんで?」
『さっき言ったと思うけど、暴れ牛の妹は狙われるから』
「………面倒」
『マリアンヌがどんなにおてんばでも誘拐されたりする可能性あるんだからね!』
「……そろそろ、領主様のとこに行く支度しなきゃね」
思い出したわ。従兄の話は長いんだった。なんだかちょっと心配性でさぁ。ストーカーよりはマシだけどさ。
ああ、早いとこバカ兄から巻き上げて市場で豪遊しよう。
『マリちゃん、大丈夫。一緒に美味しい魚を探そうね』
あれ?そういえば勇者も居たっけ。ってか、お前 魚食べに来たんじゃなくて討伐に来たんだろ。さっさと行け!で、二度と戻って来るな!




