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『あ、お姉ちゃんも居たんだ!みんなで一緒に帰ろうね』
妹マジ天使。癒やされる。でも、父より先に帰らないと夕飯の支度が間に合わないんだよ。
『たまには母さんとこで外食するか?』
『今日はオトウフある日だよね。ハンバーグ食べたい』
母の勤めてる食堂では週に一回、豆腐料理を出す。大豆の生産が軌道に乗るまで、豆腐作りが週2だ。そのうち一回分が食堂に卸される。一番人気は豆腐ハンバーグ〈カレー(ではない…)〉ソースかけ。単に人気商品を合わせただけじゃん。
豆腐がメインの材料だと薄味過ぎるのかな?みんな〈カレーではない何か〉で味覚マヒし始めてない?『今日は僕ら早番なんで騎士団に一度帰って報告したら戻って来るんで、一緒に行きませんか?』
10倍君の頭の中は豆腐ハンバーグ〈カレー〉ソースだな。
ポケットからマイ〈カレー〉粉出して掛けたりしそう。
『………』
新人君黙ってるけど、視線は妹から動いてないじゃん。目がハートじゃん。
コイツヤバくね。
騎士団ってロリコンの巣窟?
えっと…一号二号、ぶいす…
違う!
1号2号じゃないんだから、次は三号っ!
ってか、騎士団このままだと密林とか黒なんかあっさり超えて剣やら魔法使いやら……あれは勇者の育った時代にはどこまで行ったのかな……違う、違う!冷静になろ。一号二号三号…一号二号三号…
少なくとも勇者の前では言わないようにしなきゃな。
前世は、どう考えても勇者よりは経験多いからなぁ。アイツに年寄り扱いされるのは絶対にイヤ。時代は…うーん、どうなんだろ。近いには違いないけど、被ってる?食生活はそんなに変わらなかったみたいだな。
ああでも、前世はどうあれ今世では22才の町娘だ。そこを履き違えてはいけない。前世は前世、今世は今世……前世の記憶なんて特に要らんな。前世なんて非科学的だし、役に立たんし。前世に惑わされずに今をたくましく楽しく生き抜く、コレ大切。………ちょっと惑わされてるかも。
ところで、警戒対象に追加ありかぁ。騎士団せめて15人くらいで終わってくれないかなぁ。
ってか、妹に近づくヤツ全員殴っていいかな?二度と妹のそばに来られないように。
 




