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父の店に行ったら二人の騎士がいた。一人は10倍君で、もう一人は新顔だな。


『お久しぶりです。マリアンヌ嬢』

10倍君は笑顔。

たしか第2騎士団の食堂にも〈カレーではない何か〉を卸し始めたって聞いたな。まだまだ始まったばかりだが、10倍君としては嬉しいだろうな。食堂だと安いらしいし。

「最近、いかがですか?」

10倍辛くするためには、見回りだけでなく買い物にも来てるはず。

『おかげ様で、雇用状況もよくなったらしく治安も改善してきてます』

おかげ様?ああ、叔母のところも大伯母のとこも新しく人を雇ったって言ってたっけ。商売熱心だからなぁ、二人とも。

叔母のところは勤めてる人には社割で売ってるらしいし、時々母を呼んでお料理教室までやってるらしいし、従業員のハートを鷲掴み。ってか、お料理教室の代金しっかり回収して母に謝礼もするもんだから、母も喜んで妹の服を買ったりしてるよ。それが妹に似合ってて超かわいい♪

「それは何よりですわ」

『それに治安がよくなったからって、親父さんが〈カレーではない何か〉を騎士団割引で売ってくれるんですよ』

満面の笑顔をみせる10倍君。


はぁ?

もしもし、父よ。あんたいつの間に騎士団懐柔してんのよ。私はその計画話してないわよ。なのに予定通りじゃん。ちっ。考えることは一緒か。


『先輩!やっぱりそういうの良くないと思います!騎士団が治安を守るのは職務であって、特定の店と特別な関係とかっ』

新人固いな。もっと柔軟になれや。父のことだから、特定の誰かじゃなくて騎士団全員に安くしてるんだろう。


『騎士たるもの…』


新人君の発言は唐突に終わりを告げた。

見ると新人君は店の入口の方に視線を向けて固まっていた。


『お父さん、ただいまぁ。今日はちょっと寄り道なの』

天使の笑顔で妹が駆け込んできた。めちゃかわいい。


ん?新人君は何で固まったんだ!とりあえず出てけ!

二度と来るな!

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