表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
49/235

49

『昨日さ、鉄板の上でじゅうじゅういう肉汁たっぷりのハンバーグを食べる夢を見たんだ』

マジ食べ物だけだな、勇者。

『ハンバーグの上にはチーズがとろけてて。付け合わせは人参、コーン、えっと…………緑の…』

「クレソンか何かか?」

『それそれ!で、スッゴいいい匂いしてて、切ったらじゅわって…』

勇者はうっとりと夢を語る。この場合の夢は将来の希望じゃなくて、文字通り夜見るやつって…残念なヤツ!

『で、口に入れようとしたら、魔物警報で呼び出されたんだ』

本気で泣くな。食べようとしたのは夢の中だ!

「で?」

『ハンバーグ食べたい』

「ダメ!」

『なんで?』

「死にたいのか?」

『死ぬよりハンバーグ食べたい』

「だから死にたいのか?」

『死んだら食べられないじゃん』

「なんで私がいつもは干し肉とベーコンとハム以外の肉を使わないか考えたことはあるか?」

『好きだから?』

ベシっ。たまには素手でど突いたろ。

「危険だからだ!」

「日本と同じと思うな!素人が流通している生肉に手を出せるレベルにない!」

『ええ!っでも、魔王討伐の旅じゃ狩猟で捕ったやつ捌いて食べてたよ』

「うちで潰した鳥は食うわっ!誰かが捌いたやつは市場では買わないって言ったの!冷蔵も冷凍もできないから、生肉も常温で売ってるんだよ」

コイツ マジいつか死ぬぞ。ハンバーグが落ちてたら拾い食いしそう…

『えっじゃあ…』

「塊ですらヤバいのに挽き肉なんてもってのほか!どんだけ細菌が繁殖してるかわかんないぞ!」

『マリちゃん詳しいね』

むしろお前がヤバい。2年もいて何見てる?

あれ?勇者って王女様たちとの旅だったから、意外と世間知らず?もしかしたら、勇者だから何食べても大丈夫かも?

まぁ、いいや。とりあえず、帰れ!二度と来るな!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ