表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
40/235

40

勇者は今日もやって来る。


『マリちゃん。テキーラとかウォッカみたいなお酒作れる?』

「ん?」

蒸留酒ならこの世界にも一応あるじゃん。

『普通の蒸留酒じゃなくて、火を吹くようなやつ』

「作れるよ」

『そこを何とか……えっ』

何だかえらくビックリしてるけど何なんだ。

「お酒を原料にして蒸留するだけでしょ。簡単じゃん」

『ええっ』

ちょうど叔母のところに話を持って行くのに手土産が欲しいと思ってたから、蒸留酒にするかな。

『……じゃ、エールじゃないビールは?』

「発酵はダメ」

キッパリ。

『ええ~っ』


「蒸留設備の設計して、作って貰ってで一週間かな。それまでに蒸留元のお酒を大量に用意しといて。作業場には叔父の倉庫を借りるとして………蒸留設備代とレンタル倉庫代がいるんだけど?」

とりあえず、計算上の金額の5倍をふっかける。

『マジできるん?』

「冗談で設計したことあるから大丈夫」

『冗談で?』

「忘年会で盛り上がってね。〈作ってはイケない机上の空論蒸留酒〉コンペ」

『はあ?』

「自分でシバリを決めて机上だけで蒸留酒の設備を作る冗談コンペ」

『はぁ…』

「優勝は百均の商品だけで作ったザ・ダサイゾー。想定収量が少なすぎて激笑い」

『……』

「3ヶ月分の休みを全部使って色々調べたりして頑張ったのに4位だったの」

『…………マリちゃんがわからなくなってきた』

いや、最初っから何もわかってないだろ?

「ちなみに優勝者はコンペの打ち上げを主催できる…つまりは奢ると」

『それなのに頑張ったの?』

「全員2位狙いで。手を抜くとその後1年間奢らなきゃいけなくなるし」

何だか引いてるけど、知らんわ。ってか、叔母へのお土産のために作業進めるから代金置いてって。

で、二度と来るな!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ