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材料は種類は多いが一般的なスパイスであり、レシピは勇者のを全く改変しないで使ってることを説明する。
「スパイスは最初は勇者様が用意して下さって。その後は市場で仕入れてたんですけど、段々量が必要になって、今は売り込みに来た商人さんに一任してます♪」
委託生産開始したら、あいつに王都以外の流通を任すかな。面倒だし、ちょっぴり儲けさすのもありか。元々、その権利を欲しがってたし、こっちは売っちゃって代金を回収すればいいだけ。うん。それで行こ。
「とりあえず、倉庫と作業場を見ます?」
にっこり。
二人は数々のスパイスや製品の並ぶ棚に圧倒されていた。騎士が思わず手を伸ばした。
パシっ!小さい閃光と音がした。
「危ない!」
騎士の手を払いのけるが意図的に間に合わなかった。
「気をつけて。勇者様の結界があります。スパイスや製品が盗難にあったり、変な混ぜものが入らないようにして下さってますの」
二人の顔が引きつった。
「私や家族が触る分には大丈夫なんですが、他の人は…」
『…なぜ、そこまで』
「勇者様の故郷の味を再現したものらしくて、思い入れが激しいらしいんです」
再現できなかったけどな!
そういえば、ヤツも最近カレー粉の調合してないな。やっぱり素人にはムリだって。
でも、毎日来てるな………来るな!二度と来るな!




