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勇者が焼き菓子を持ってきた。

ショートブレッドのような素朴なやつ。砂糖が高いから、この世界のお菓子は甘味の少ないものが多い。庶民が食べるお菓子しか知らないけどな。

『マリちゃん、クッキーに合う飲み物下さい』

「白湯だな」

『いつもじゃん』

「決して他の味を邪魔しない」

『ってか、味ないよ』

「そだね」

出した白湯を黙って飲みながら、焼き菓子を食べた。

『もう食べないの?』

「これは妹の分」

『また買ってくるから、遠慮しないで』

「いや、もうすぐ夕飯だから」『女の子の半分はお菓子でできてるんだよ!』

はぁ?こいつやっぱり頭湧いてた。

『マリちゃんの好きだったお菓子って?』

「………ジンジャークッキー?」

『なぜに疑問文?それってどんなの?』

「西洋ではクリスマス付近に人型を抜いて作るクッキーで、ツリーに飾ったりするやつ。硬めだから、ゆっくり噛み砕いて食べると糖分と生姜やスパイスの作用でほんのり身体が温まって…」

『……マリちゃん、いつから非常食の話になったんだっけ?』

「お菓子の話でしょ?」

『どういう時に食べてた?』

「会社で残業してたら暖房切れた時とか」

『非常食じゃん!』

「おやつでしょ」

勇者は白湯のお代わりを飲み始めた。また夕飯まで居座るつもりらしい。

妹にお菓子をあげすぎると困るから、監視しなきゃね。ん?むしろ、二度と来るな!

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