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勇者は赤いカップのある席に迷わず着いた。

『マリちゃん浮気!』

開口一番がそれかっ。

「浮気の前に本命がいないけど?」

にべもなく突き放す。

『僕の居ない間に男を連れ込むなんて』

「人聞きの悪い!」

勇者が一気飲みして空になったカップを奪って頭に投げつけながら言った。

商人と護衛の顔が心なしか引きつっている。最強と言われ魔王をあっさりと倒した勇者に対してただの小娘が暴力を奮うのを見るのは初めてか。親にも見せたことはないがな。

「こいつらは無理やり家に入ってきて、〈カレーではない何か〉のレシピを騙し取って独占販売しようとしてるだけだ。交渉という名の脅しをかけられていたところだ」

淡々と言うと勇者はちょっとびっくりしてた。

『マリちゃんに脅しなんて命知らずな』

こら待て勇者。お前、私のことをどう思ってるんだ?

『マリちゃんはああ言ってるけど、本当に浮気相手じゃないよね?』

勇者は商人に向き直ってアホなことを聞いていた。なんか目つきヤバいぞ。

商人は首を思いっきり横に振った。

『勇者様、私どもは〈カレーではない何か〉の買い付けと交渉に来ただけでございます。マリアンヌ様は何か勘違いをなされているようで…』

冷や汗を拭きながらでも、舌かんだりしないのは立派。

「なんかスゴく私に不利な条件を提示してたよね」

にっこり。

『マリちゃん、こいつらにイジメられたであってる?』

勇者の三白眼は久しぶりに見たな。

「そう言ってる」

何だろ?商人の顔が血の気が引いたみたいに白くなってるけど。私のことを悪魔のように見てるけど。まだまだだよ?

二度と来る気になれないくらい可愛がってあげる。

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