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先行部隊との打ち合わせやら準備で騎士団は忙しいみたいだ。馬の世話を手伝ってみた。荷車を牽いていたロバもそこそこいる。

朽ちかけた馬小屋の後ろに新しく馬小屋ができていて、2つを使って馬もロバも屋根のある暮らしができている。逆に騎士団の方はテント暮らしになっているメンバーもいるのが不思議と言えば不思議だが、それだけ自衛手段のない存在には危険だってことだろう。あのクロスボウも私の手元に来ている。私には重過ぎて使い物にならないんだけど、って発言は無視された。間違ってクマを倒したのがいけないのかな。

たまたまうまく当たっただけなのにこんなに苛められるなら、もうクマを倒すのは止めようと思う。ログハウスについてた獣の爪痕の一つがクマが立ったくらいの高さだってことも見なかったことにしようと思う。

騎士団も居る時には守ってくれるらしいので、おとなしくして………ウサギ狩りや猪狩りになら紛れ込んでもいいよね。

猪の牙によると見られる傷も集落のあちこちにある気がする。


…………騎士団の人たち猪ならどう料理してくれるかな。〈カレー〉味以外で!ここ重要。


さすがに〈カレーではない何か〉は高い。特に所持量に限界のある遠征では獣臭さがヒドい肉に限られるようだ。

値下げしようにもマージンを削っても原材料費は輸入品が占める割合の多いからどうにもならない。あの売値なら実際に製造に関わる人件費までで、本社費はほとんど出ないだろうな。対第3騎士団に限っては、限りなく赤字に近い商品だ。むしろ単体なら赤字だろう。ただ、それを機に第3騎士団の調達に大きく食い込んだ事実を知っていれば不思議はない。いざとなれば、さっさと値上げをするだろうし。叔母は根っからの商売人だ。そういうところ容赦ない。

第2騎士団とか王宮とかへの売値が全部異なる点においても相手を見ながら虎視眈々と商機を見定めているのがわかる。

王都に帰ったらまた損益計算とかさせられるのかと思うとうんざりするな。私はリース商会の経理じゃないって何回言っても通じない。何とかして取り込もうとしているのはわかるんだが、私は家事と言う名で妹の面倒をみたいんだから邪魔しないで欲しい。

他の家事はあんまり得意ではないが料理特化の才能を持つ母に食堂勤めを勧めたのもそのためだ。わざわざ食堂を作って影のオーナーをしている事実は父にはバレていても母は気づいてないだろう。母の料理が評判で想定以上の利益が出たのは誤算だ。

とにかく、そこまでして手に入れた今の生活を脅かす勇者許すまじ……


『マリちゃん。ご飯はマリちゃんの好きな豆のスープだって』

やった♪普通のご飯だ。

『あと猪の丸焼き』

騎士団って勇者曰わくの肉食系だった。とにかく肉が好き。

私はそんなに肉が好きではないが、ここはやっぱり勇者の大好きな手掴みかぶりつきをやるべきだろう、盛大に。

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