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森に入っていた騎士たちが戻ってきた。

『他にクマは見つかりませんでした』

町と町の間の寂れたところとはいえ街道からちょっとだけ森に入ったところでクマに遭遇って笑えないよね。

『はぐれグマ?』

「クマは群れない!」

いつもの勇者専用カップが無かったので、ゲンコツ。痛かったから次回からは何か用意しよう。

『3匹くらいで並んで歩くイメージが…』

「…それは母子だ」

勇者の発言は脱力系だな。

『マリちゃん、クマ詳しいね』

「クマに遭ったら死活問題だから…」

『倒したじゃん』

「たまたま当たっただけ」

試しに狙ってみたら、当たりどころが良かっただけ。失敗しても騎士団いるから何とかしてくれるって思って。

クロスボウは重かったので、さっさと剣士さんに返却した。あれ持って歩くとかヤダ。狩りには使えない。まだいつもの棒の方が使えるわ。


『早くクマ鍋行こう!』

いやさ、勇者。解体したりするだろ。騎士団にそのまま運べってか。お前すでに食うことしか頭に無いだろ。


『時間かかりましたから、予定していたところの手前の村になります。日が暮れる前に着くように急ぎましょう』

騎士団長は勇者の勢いに負けたらしい。機嫌損ねて他国に行かれるのが一番マズいしな。

『ヤッター。クマ鍋!』

鍋限定の理由を早よ。


騎士団は優秀だった。さっさとクマを解体し、宿泊の村に着いたのがまだ比較的明るい時間。但し、充分に夕方、夏の日は長い。これ以上進むと次に宿泊できる村までかなりかかるらしい。

で、騎士団は宿の調理場を借りてクマ鍋まで作った。


カレー鍋っ!


いや、〈カレーではない何か〉だけど。私が辛いものが食べらんないことに対する挑戦だな。受けて立つぞと思ってたら、私の分だけ宿の名物料理が出た。

何でも獣臭さを消す為に香辛料が不可欠で、〈カレーではない何か〉が第3騎士団で流行ったのもそのせいらしい。遠征の多い第3では肉の獣臭さへの対処が団員の悲願だったらしいのだ。

一番の功労者なのに、カレー鍋ですみません。辛いの苦手でしたよねと謝られた。が、別にクマ食べなくても問題ないし、クマが食べたくて倒したわけじゃないし、名物料理がおいしかったから私は気にしない。


あのクロスボウ重くて疲れるから二度と使うもんかって思いながら早めに寝ることにした。

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