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カスレの旅に比べて、今回は少しだけ機嫌がいい。

昨日も妹に『お姉ちゃん大好き』って飛びっきりの笑顔で言われた。

妹の顔を毎日見るのは精神衛生上とても良い。合わせ鏡の魔法とか言ってたけど、合わせてないじゃんとか、非科学的だろとかツッコミ入れたくなるけど、しない。

妹の顔を見るのが正義!

無理を通して道理を引っ込ませる!所詮正義とは勝ったもんの論理だ。


日の出てる間でしか実現しないのがちょっと寂しい。ランプの灯りだと真っ暗で人がいることがかろうじて認識できる程度だった。わかってたけど、わかってたけど、やっぱりショックだった。1日だけ夕方に時間が取れなくて、遅くなったけどブランシュは起きて待っててくれて……ああ、健気で益々愛しく……声だけでも幸せだけど……ムリさせるのも忍びないので、暗くなったら迷わず寝るように諭すなんて、姉はツラい。

次に生まれ変わっても姉として愛しみたいなんて、居もしない神に祈ろうかと思ったりもしたりして。いや、もう生まれ変わるなんて面倒くさいから勘弁して。


ちなみに、合わせ鏡の魔法の許可は魔術師さんから騎士団長に取ったらしい。一応2人は私の護衛兼世話係で国に雇われてるし、魔法検知して慌てられても困るから。



『マリちゃん。マリちゃんってさぁ、これだけ重要人物なんだから強請れば貴族にもさして貰えんじゃん?』

「ヤダ」

一刀両断!

『…報酬も貰い放題』

「後が怖いからほどほどで」

『欲がないんだね』

「何を言ってるんだ?私の望みは妹と一緒の平和な生活だ」

『女の子ってさぁ、宝石とかお金とか、ステータスになる地位のある男とか、イケメンとかが好きじゃん?』

「ロクな女と付き合ってないな」

魔術師さんと剣士さんも頷いた。

『だから付き合ってないって。働いてお金が自由になってから探そうかと』

…ん?何か寂しい人生だな。

「お前そこそこ顔はいいだろ?」

『…友達がマジイケメンで霞んでた。でも、友達はみんないいやつで一緒にいると楽しくて』

勇者がほざくのを横目に眠ろうと思い始めた。そう横目。隣に座ってる。護衛の二人は進行方向とは逆向きで、進行方向を向いてるこっちが上席?どっちでも揺れがヒドいことには変わんないじゃん。

これ一応乗用なんだよね。席から言って。リース商会の荷馬車の方が乗り心地いいって……


『友達を大切にする人っていいですよね。私の好みは私を大切にしてくれる人ですが…』

魔術師さん、本音トークありがとう(笑)

持ち上げて落とすとはなかなかの技で。

『マリアンヌさんの好みのタイプは?』

次は剣士さんの番だと思ってたら、こちらに回ってきた。


「妹を大切にしてくれる人」

当然だ。コレができないなら最初っから候補に入らない。


『ブランちゃんも大好きだよ。妹として』

勇者のアピールは無視でいいな………いや。

「ブランシュはお前の妹ではない!」


これだけは言っておこう。

二度と間違えるな!

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