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夕食のために水汲みに行こうとしていたら、勇者が来た。


勇者の手に水桶を押し付けて、水瓶を満たすようにお願いした。

井戸からの水汲みは重労働である。普段は筋トレだと思ってやっている。

滑車一個だから、水の重さがそのままかかる。動滑車も付ければ軽くはなるが、その分ロープを引く距離が伸びるわけで…


水汲みやると1日分の仕事をやった気になるんだよな。

井戸掘り技術が未熟なおかげで、非常に深い井戸ではないのが救いか。掘っても掘っても水が出ないところは川が無い限り人は住んでない。王都は脇を流れるファルフェ川の他に伏流水が通っている。

川の水は洗濯などに、伏流水は主に調理などに使われている。地下に粘土層があるらしく、地上が渇水の年もそれなりの水が汲み出せる。

その水の豊さ(当社比)こそがここが王都となった理由である。


うん、でも日本の方が水資源は豊かだったよな。

勇者の食べたい料理の中で安心して飲める水が豊富であったことに起因するものがあることに気づかされた。

水は大切だなぁ…。


『マリちゃんさぁ、僕のことどう思ってる?』

「汲み上げポンプ」

考え事をしていたので、うっかり本音が出た。


『ポンプ?』

「水汲みに便利」

そういえば、最近ポンプを作る気にならなくなったな。去年は本気で手押しポンプの導入を検討したのに。


『マリちゃん、ヒドい』

「動力源は夕飯か………面倒くさい」


電動ポンプ欲しいけど、内燃機関の開発はさすがにヤバいと思う。権力者に疑われるまではいいが、狙われちゃマズい。

勇者に構われてる時点で慎重にならざろう得ない。


というわけで、勇者が汲み上げポンプってことでいいね!



「今日は特別に夕飯に豆のスープと黒パンと白湯を出してあげるね♪」

『…マリちゃん。それって特別なのぉ?』


勇者それがイヤなら来るな!


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