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『マリちゃん、マリちゃん。見て、見て』

サメを担いだ勇者とリース商会にて対面した。

「ワサビおろしでも作るのか?フカヒレか?」

『食べらんない?』

「サメに?」

『ち、違う!サメを!』

なぜか焦った様子で勇者は叫んだ。

でも、お前サメの海に落としてもやっつけそうじゃん。


「アンモニア臭がなぁ」

『コレもなん?』

あ、覚えてた?ダイオウイカ……クラーケン、と一緒。

ああ、食い物の記憶は良さそうだな。

「サメは湯通しして煮付けって話も聞いたが、はんぺんにするって話もあったな」

前世の記憶なんで定かではない。料理に興味もなかったがな。


『はんぺん!おでんもいいけど、チーズ挟んで揚げるのもいいね』

おでんの味付けとか、他の練り物とかどうするか知らんが、勇者の表情は生き生きしてきた。

「サメと山芋?摺り合わせて茹でるのをテレビで見たような見ないような…」

『山芋を採ってくれば、はんぺんになるんだな』

いや、作らんとはんぺんにはならんだろ!?

しかも、それでできるかどうか……コイツまた私に料理スキルがないことを忘れたな。なんか女性ってだけで料理ができるって信念がありそうだ。


『ちょっと山芋掘りに行ってくる』

勇者は自分の身長ほどのサメをバッグにしまって出て行った。

うーん。やっぱり物理的にあれにあれが入るのはムリだと思う。魔法って物理法則を無視なのか?

よしんば超圧縮だとしても、サメが入ったわりに軽そうだし、質量保存則はどうした?


まぁ、いいか。魔力の無い私には関係ない話だし。

それより山芋って採れるんだろうか。掘るのも大変だよね。

自然薯とか長薯とか色々あったけど、何がどう違うのかも知らない。料理スキルの無さを舐めるなよって、勇者の方がヒドすぎだわ。


そういえば山芋の外国料理って記憶に無いな。うーん。山芋の飴がらめ好きだったかもしれない。あれって中華料理?

ヨーロッパ料理で山芋使ってたのは…知らんな。


そもそも、異世界だから何があって何が無いのかは、探してみるまでわからない。興味もないから探したこともない。

豆のスープで困らないし。ってか、満足してるし。弟はもう少したんぱく質系が食べたいみたいだけど、筋肉の維持向上に必要なんだろうからそれなりの量を用意している。妹も成長期だしね。大豆でたんぱく質が取れるようになったし、私は今の食生活で困ってない。


勇者にそれを理解させるのは困難だろうからやらない。やらないがウザい。

誰か勇者と二度と会わない方法を教えてくれ!

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