表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
103/235

101

海風が暖かさを運んできた。

ふと、思い出した。今年はまだアーティチョークを食べてない!

王都を出る時にはまだ早くて、カスレ辺りでは育ててない。そして戻る頃には…季節が終わりそうだ。向こうの世界と違ってこっちは季節に忠実だ。ちょっとでも時期をハズれると食べられなくなる。


5人家族で3個買って…いや、本当は一人一個にしたいんだけど、お値段の関係で…庶民なんだよ、文句あるか?

おまけに、食べられる部分が少ないこれを買うくらいなら豆のスープを大量に作ってくれって弟が言うんだ。ブランシュは微かなえぐみが苦手らしく、ちょっとしか食べない。

季節感は大切だが、費用対効果を考えると4個は買えない。



茹でたアーティチョークを皿に乗せ、萼を一枚一枚引き抜いて、付け根の部分を歯でしごいて食べる。

萼を一枚妹に向ければ、パクッと口にして『お姉ちゃんがくれるのは美味しい』って笑顔で………たとえ騙されててもいい。よく考えなくても私が喜ぶから妹はムリして食べてる気がする。


萼が無くなった後に土台の毛の部分…もしかして雌しべか雄しべ?…を取り除いて、ハートの部分を……


ため息をついた。


王都に帰って家族団欒を堪能したい。

カスレの赤牛?家族に含めない。あいつのおかげでどんだけ苦労したことか!



なんか腹が立ってきたな。従姉兄を誘って、牛に奢らして豪遊したる!

ほとんど従姉兄たちの酒代になる気もする。あそこん家は全員うわばみだ。ザルって感じじゃなく、枠!肝臓の処理速度が間違ってるんじゃないかって常々思ってる。酵素を活性化する何かがあるのかもしれない。


会場は従兄に手配してもらって、一声かければ牛は絶対に、何があっても、どんなに遅れても来る。ぶっちゃけ支払いの時だけの居る方が嬉しい。




忘れてることがある気がするけど、きっと二度と思い出さなくてもいいことだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ