闇の仲
暗い夜道を走る。
周囲に街灯の類はなく、頼れるのは月明かりだけだった。
俺の所属している組織は、いわゆる裏の事業というものをやっている。
表の事業を隠れ蓑に、裏では暗殺などを請け負っているのだ。
俺は裏担当で、普段はフリーターとしてのんびり生活し、依頼が入れば現場に向かっていた。
今日も依頼が入ったため出勤。
依頼は簡単………とは言い難いものの余裕を持って終わらせることのできる範囲だった、何もなければ。
俺は“あの人”からの信頼も厚く、今回は新人教育も任されたのだ。
途中まではうまくいっていたし、新人も問題は起こさなかった。
だが、おそらくはターゲット側のスパイだったのだろう。
いざターゲットを殺そうという時になって、新人が邪魔をしてきた。
幸い俺の顔を見られることはなく、ターゲットも殺すことができた。
が、邪魔をしてきた新人を殺していたために時間が掛かったのがいけなかった。
もともとすぐにその場を離脱する計画だったためにアラームが鳴ってしまったのだ。
そのせいで俺は今、追われる身というわけだ。
組織に帰れば助かるが、組織が露見することは避けられない。
なにより“あの人”に迷惑をかけるなどあってはならない。
俺は一人闇の中を走っていった。
無事に帰れたら“あの人”は褒めてくださるだろうか、そう思いながら。
思ったより短く!しかもBL臭少なくなってしまったのです…(・ω・`)
後日“あの人”視点でも書く予定。←これは甘くなることを期待。