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第54話 何だこのイベント?

『なるほど……』


ユミルからの念話は、レイドボス討伐の手伝いだった。

ま、そんなこったろうとは思ってたが。


――話を纏めるとこうだ。


ハミール教の管理する、古代の地下霊園に原因不明のドラゴンゾンビが発生。

そこはもう誰も墓地として使っていないので放置しても害はないが、ハミール教の管理する場所でドラゴンゾンビをのさばらせるのは宜しくない。


なので教会は聖騎士隊を討伐に向かわせるが……そこで大きな問題が発生する。


霊園に何故か竜牙兵が大量湧きしていたのだ。

竜牙兵は、さっきサミー婆さんの試練で倒したあれな。


で、そいつらとドラゴンゾンビを纏めて相手するのは不可能と判断した聖騎士隊は撤退。

そして俺への依頼である。


『お願いできますでしょうか?』


『分かりました。お受けします』


俺はオーケーと返事した。

聖女であるユミルに弱みを握られているのもあるし、アイテムがまた貰えるかもしれないという下心もあったので、俺に依頼を断るという選択肢はない。


『では、お待ちしておりますので』


『急いで向かいます』


ユミルと通信が切れ、俺は一人呟く。


「なんでこのイベントが発生したんだ?」


と。


このドラゴンゾンビ発生からの竜牙兵に邪魔されて依頼が来るイベントは、OTL内にも普通にある物だ。

但し条件として、冒険者ランクA以上かつ、神聖魔法を習得している事が必須となっていた。

要は、限定条件下でのみ起こるイベントという訳だ。


だが俺は冒険者ランクは最低のFで――一度たりとも依頼を熟していないから当然である。

そして神聖魔法も習得していない。


――そう、これは本来なら依頼される筈のない仕事なのだ。


「うーん……ユミルと懇意にしてるから、条件全部無視して周って来たんかな?ま、別にどうでもいいか」


深く考えても答えなど出る訳も無し。

取り敢えずユミルの所に行って、サクッとイベントを終わらせるとしようか。


神殿に着き、俺は早々に討伐隊と共に地下霊園へと向かう事になる。

地下霊園は神殿の地下だ。


因みに、どうやらこの討伐にユミルは参加しない様である。

理由は危ないから。

まあ彼女は聖女だし、危険には晒せんよな。


「君がタカダ君か。話は聖女様から窺っている。相当な腕前らしいな」


地下に続く長いスロープを下る途中、聖騎士隊のトップ――聖騎士ゴートが隊列を外れ、俺に声をかけて来た。


レイドにはランクがある。


一番下が普通のレイド。

この前倒したワギャンエンペラーがこれに当てはまり、ある程度強い奴なら普通に揃討伐可能なレベルだ。

実際俺もソロで討伐したしな――ペットと精霊は俺の一部と定義するので、誰が何と言おうとソロ。


運営の討伐推奨は1パーティーとなっている。


その次が上級(ハイ)レイド。

レイドよりだいぶ強く、運営の推奨は2パーティー以上となっている。

まあでも、真の廃人はハイレイドすらソロで討伐してしまうが。


その上が超強(グレート)レイド。

流石にこのクラスになると廃人もソロでは討伐は無理で、運営の推奨は4パーティー以上となっている。


で、最後が究極(アルティメット)レイド。

グレートレイドまでとは次元の違う強さを持った化け物で、俺のやってたバージョンでは討伐不能って言われてる。

魔神竜の影はこのアルティメットレイドだ。


で、ドラゴンゾンビは超強(グレート)レイドに分類されている――イベント戦以外でも戦える――訳だが、このイベントはそこに最強クラスの一般モンスターである竜牙兵までわんさか相手にしなければならない状況となっている。

なので、その難易度は通常の物よりかなり高い。


――だがこのイベントは、余程馬鹿な事をしない限り負ける事のない勝ち確イベントだったりする。


レイド戦の振り分けは、第一と第二聖騎士隊がドラゴンゾンビと戦い。

それ以外の第三第四聖騎士隊に、プレイヤー――パーティーでも参加できるので普通はパーティーで参加する――が竜牙兵を担当するという戦術を取る事になる。


ここで問題になるのが、運営が4パーティー推奨してるレイドをNPC2パーティーで相手できるのかという点だ。


結論から言うと、全く問題なかった。

聖騎士達は女神の祝福というスキルを全員備えているため、アンデッド系に糞強い上に、第一パーティーには超越者——次元の違う強さのNPC——が三人もいるからだ。


そいつらの装備はSランク程度だが、色々ずるい補正やスキルがあるので、その強さはレジェンド+装備を身に着けた廃人レベルに相当している。


アンデッドに超有利なうえ、そこに廃人レベルのNPCが三人も含まれているのだ。

まず負ける心配はない。


「いえいえ、それ程でもありませんよ」


因みに聖騎士トップであるゴートは超越者だ。


「謙遜しなくともいい。それで君の腕を見込んで頼みたい事があるのだが」


「頼みたい事ですか?」


まさか俺一人でドラゴンゾンビ倒せとか?

って、そんな訳ねぇよな。

マンガじゃあるまいし。


「第一第二隊も竜牙兵の相手を担当するから、君にドラゴンゾンビの相手をして貰いたい」


あたってた!?

いや意味が分からないんだが!?

俺の知る限り、このイベントにそんな流れはない筈だぞ!?


「では頼んだぞ」


俺が驚いている隙に、ゴートはそれだけを告げて先頭に戻って行ってしまった。


いやマジで俺にやらす気か?


どーなってんだ、このイベントは?



拙作をお読みいただきありがとうございます。


『面白い。悪くない』と思われましたら、是非ともブックマークと評価の方をよろしくお願いします。


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