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179 おうち強化作戦!




 失敗したのは、ロジェンツさんやテネーと連絡先の交換をしなかったことだ。

 なので変更があっても伝えられない。

 というわけで、ウルミアとジルの試合参加については、残念だけど断らせていただいた。


「さて。じゃあ、始めようか」


 ロジェンツさんが我が家にやってきた――。

 その翌日の昼間。

 今、私は自分の部屋にいた。

 ハイネリスではなく、現代日本の我が家の、私の部屋だ。


「マスター、作業の前に部屋の掃除をされてはいかかでしょうか? 私が見るところ最近はされていないご様子ですし」


 部屋にはカメキチもいる。

 ハイネリスから今日は来てもらったのだ。


「あ、うん。そうだね。あはは。最近は忙しくてねー」


 私的に言えば、私の部屋はいつも通り。

 うむ。

 ベッドには服が脱ぎ散らかされていて、床には漫画や雑誌や、まだ開けていないポテチやクッキーが転がっていて……。

 実に機能的に、ほしいものが手に取れるようになっている。

 完璧だ。

 食べカスはちゃんと片付けているし、換気もしているので、変な匂いもないしね。

 少なくとも汚部屋と呼ばれるほどではない。

 ちょっとだけ生活感のある部屋、という程度だ。


 と思いつつも……。


 カメキチに言われて、私はそそくさと片付けた。


 うん、はい。


 自覚がないかと言えば、まあ、少しはあるので。

 お母さんにも言われているしね……。


「必要があれば、メイドロボを何体かこちらに派遣されては? ハイネリスには待機中の者もまだ多くいますので。警備員代わりにもなりますし」

「それいいかもだね」


 と、私は一瞬思ったけど、やめておいた。

 なぜなら現代にメイドロボなんて、さすがにオーバーテクノロジーが過ぎる。


「よし、掃除おわり」


 綺麗になりました。

 それなりには。


「じゃあ、あらためてカメキチ。よろしくね」

「はい。わかりました」


 今日はこれからカメキチと、我が家の防御体制を構築する。

 ロジェンツさんに言われて気づいたけど、国内外から望まぬ人たちがやってくる昨今、家に結界くらい張っておくべきだった。

 今の私であれば余裕だしね。

 と言いつつ1人だと適切な力の加減がわからないので、ハイネリスからカメキチに来てもらったわけなのですが。

 カメキチはハイネリスのサポートAIのカメだけど……。

 なんと艦内限定ではなく、野外でも普通に活動できるそうなのです。

 優秀なのです。


「問題は、どういう種類の結果にするのか、だよね。まず、悪意ある者を遮断することは確定なんだけど……」


 光魔法『プロテクション・フロム・マリス』

 悪意からの防御。


 これで家を包めば、少なくとも襲撃者は完全に跳ね返せる。

 ただし、完全ではない。

 ロジェンツさんのようなタイプは通れてしまう。


「どうすればいいと思う?」

「悪意なき一般人の心の底や第三者の意図までをも見抜いて結界を構築するのは、残念ながら不可能かと思われます」

「んー。そっかぁ。だよねえ……」

「なので、魔道具の所持で判別するのはどうでしょうか」

「なるほど。でもさ、それだと、たとえばヒロに守りの指輪とかを持たせたら、ヒロまで弾かれることになっちゃうよね?」


 実はそちらも準備を進めているのだ。


「そうですね」

「危険性で判別するとかは?」

「爆発物はともかく、魔法杖等の補助具は判断がつかないかと思います」

「そっかぁ……」


 なかなか難しいね。


 ちなみに結界には『プロテクション・フロム・ダーク』というものもあって、こちらは強い闇属性を弾く。

 メルフィーナさんが使っているものだ。

 これによって魔族は、神都への侵入が不可能となっている。

 もっとも効果は完璧ではなくて、私には通じなかったけど。

 ただ、うん、はい。

 自分で言うのも何だけど、私はそういう対象からは外すべきだろうけども。


 逆に闇属性には『プロテクション・フロム・ライト』という結界魔法があるけど、こちらは効果が微妙すぎて実用性が低い。

 なにしろ明確な光属性なんて稀代の聖女しかいない。

 勇者や神官も光属性ではあるものの、その属性値は低くて、結界の効果対象にはならないことが大半なのだ。

 人間は一般的な生物だ。

 土・風・水・火の、いずれかの自然属性をその身に宿して生まれる。

 なのでどうしても主となるのは自然属性なのだ。

 そうでないのは――。

 光そのものとして存在するのは――。

 今の時代では、世界にメルフィーナさん、ただ1人だけだ。

 もっともメルフィーナさんは同時にすべての自然属性値もMAXという、まさに転生最強主人公なのだけれども。

 リアナは聖女だけど、基本的には水属性だしね。


 まあ、うん。


 それはともかく、です。


「マスター、使い魔はどうでしょうか」

「使い魔?」

「はい。細やかな防衛については、使い魔に任せるのが最適かと」

「なるほどぉ……」


 使い魔か。


 私は『ユーザーインターフェース』を広げて、検索してみた。

 すると、すぐに出てきた。

 無属性魔法『クリエイト・ファミリアⅩ』。

 無属性魔法『アグリーメント・ファミリアⅩ』。


 どうやら使い魔は、魔法で生成することでも、既存の生物と契約することでも、手に入れることができるようだ。

 私の場合は、たとえばエンシェント・ドラゴンのような神話級の生物まで、ペナルティなしで使い魔とすることができてしまうようだ。

 生成した場合、使い魔の強さは魔法ランクの3分の1が上限になるようだけど……。

 今までの経験からして、ランク「Ⅲ」の強さって、特に現代世界では普通にチートレベルの強さを有している。

 異世界でだって、一流の冒険者とも戦えてしまうくらいだ。


「ありがとう、カメキチ。できそうだよ」

「それはよかったです。では、結界については私が張りますので、マスターは使い魔を準備されてはいかがでしょう」


 せっかくなので、そうさせてもらった。

 使い魔は2匹、『クリエイト・ファミリア』で用意しようと思う。

 ランク「Ⅲ」であれば十分だし。


 どちらも猫に決めた。


 猫なら、夏でも冬でもいつでも、どこにいてもだいたい自然だしね。

 空を飛べるカラスも考えたけど……。

 家にいることも考えると、猫の方がいいかなぁ、と。


 というわけで、生成。


「始めまして。君はクロ、君はシロね」


 はい。

 うん。


 ものすごく安直なのですが、白猫と黒猫を生成して、シロ、クロと名付けました。








時間の空いた投稿になってしまって申し訳ありません。

現在、ゲームに夢中で他のことがなかなかできません。

しばらく不定期になりますが、

更新はありますので、またぜひ見に来てやってください……><ノ

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― 新着の感想 ―
カメキチはマスターに掃除しろと言えるタイプ。 実に優秀。やっぱ頼りになるのは賢者よりカメだね。
ゲームはいいですね!私もウィザー○リィにハマってます!
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