140字小説24.25.『落ち着く時間』『表現家』
『落ち着く時間』
このトンネルを抜けると夕焼けに染まった街が現れる。
ビル群に反射した光が、まるで宝石のようにキラキラとして、
フワフワと温かい風が流れてる。
忙しい1日の中で、一瞬だけ落ち着くこの時間。
背中の翼をのばして、そのまま宝石の上を飛んでまわりたい。
何も考えず、優しく温かい風に身をのせて。
『表現家』
私は今、
言葉を使って気持ちを伝えている。
それに、楽器も演奏する。
言葉も絵もないけれど気持ちを伝えられるから。
あとは料理も作るんだ。
胃袋を掴むという言葉があるほど、食は気持ちを伝えられる。
それに舞台演技だってする。
声や表情で気持ちを伝えられるから。
そう、これが私の仕事。
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最後まで読んで頂きありがとうございます。
表現家とは、いわば自分を使うプロ。
表現と一言でいっても、色々な方法があるわけで……
それに比例して色んな世界がありますね。
そんな世界を生きていると時々疲れる事がありそうです。
自分が疲れているかの基準の一つに"夕焼けをみる"
というものをおすすめします。
まだ美しいと思えるなら、頑張れると思います。
何も感じなくなったら、休みましょう。
ではまた。
泉ふく




