友達のとこの家庭
久々に会った恵子。
そしてその口から出た言葉が、衝撃的なものだった。
三ヶ月ぶりに、友達の恵子に会った。
彼女の長女は、保育園でパートタイムで働いている。
それで、今回、その娘が弟の為に後期の学費を工面下と言うのだった。
蓉子は、それを聞いて、少し不自然さを感じた。
”両親があって、それも共働きなのに、なんでパートタイムで小遣い稼ぎをしている娘が弟の学費をださなければならないのだろう?”
恵子の顔は、いつになく朗らかだったのが、逆に気になった。
”まさか、子を食い物にしようって魂胆なんじゃあ・・・。”
十数年前のこと。
蓉子の家に、恵子と悦子がやってきて、たこ焼きパーティーをしたことがある。
たまたま、そのときに出た話で、恵子が
”うちの娘ったら、ホントにのろくてムカつくことばっかり。
アフリカにでも、嫁に出したいくらいだわ”
と言っていた。
”ウザイので、出来れば遠くにお嫁に出して、顔も見たくない”ってことだった。
それが、お金を稼いでくれるとなって、180度変わったのだ。
なんてゲンキンな・・・。
蓉子は、本当に呆れてしまった。
”幼い頃、母親からしてやられたことは、娘は忘れることは無い”
それを彼女はわかっているんだろうか。
いつか昔のことを娘さんに謝って欲しいと思うのだった。
世の中、ただより高いものはない。
家族間だって同じこと。