キャラクターの方程式
書籍紹介『キャラクター小説の作り方』 大塚英志著
本書ではキャラクター小説の書き方から、小説というものが持つ意味まで幅広く書かれています。
私が小説の勉強に役立つと思ったものをピックアップしてお届けします。
<1.キャラクターの方程式>
これは、他の作品(小説、漫画、映画)を読むときの勉強法です。
ステップを3つに分けてご紹介します。
①魅力的なキャラを見つけたら要素を分解する
②キャラクターの方程式に当てはめる
③自分なりのキャラクターを作ってみる
【①魅力的なキャラを見つけたら要素を分解する】
参考にしたいキャラクターを一度抽象化する作業になります。
たとえば、ワンピースのルフィを例にしてみましょう。
“キャラクター名 = 要素” という書き方をすると
“ルフィ = 超能力者、村の青年、根拠のない自身、海賊、仲間との絆etc”
上のように書けます。ここで抽出する要素は、キャラクターの固有性が消滅するレベルにまで抽出します。
仮に、要素の一つに“ゴムゴムの実”なんていれたらルフィそのものですね。
それでは自分のキャラクターに転用できません。
必ず固有性がなくなるまで抽象化しましょう。(*ゴムだけならあり)
【②キャラクターの方程式に当てはめる】
キャラクターの方程式とは、キャラクターを端的に表す式のことです。
具体的には、”y=f(x)”という式を使います。
なんか数学っぽいけど、ぜんぜん難しくありません。
yがキャラクター名、fがコンセプト、xが①で抽出した要素です。
コンセプトだとわかりにくいですね。
役割とか職業と思えばいいでしょう。
ルフィの場合、次のようになります。
ルフィ=お宝を求める海賊(超能力者、村の青年、仲間との絆)
方程式を作るとき要素の数は決まっていません。ですが多すぎると迷走する可能性があるので自分で数を絞った方がいいと思います。
私の場合は基本3つ。多くて5つと決めています。
【③自分なりのキャラクターを作ってみる】
自分のキャラクターを作ってみましょう。
”y=f(x)”のfまたはxを変えていく作業ですね。
今回はfのコンセプトは同じまま、xだけ変えてみます。
キャラクターA=お宝を求める海賊(鉤爪、ワニが天敵、義手)
はい、キャラクターAができました。
これはもちろん、フック船長をイメージしています。
わかりやすいように既存キャラクターとあからさまな要素を選びましたが、
キャラクターの方程式を利用したキャラクターの作り方、なんとなくわかりますよね。
以上、他の作品(小説、漫画、映画)を読むときは、できるだけいろんな要素を集めると自分のキャラクターの幅も広がっていくかもしれません。