パスタ
気づいたらレベルがあがっていた、それといくつかスキルが開放されていた。
《パーティー》
指定した仲間、最大6名まで、ステータススキルの恩恵が受けれるようになる。
《ストレージ》
《異空庫》の上位互換、サイズ制限無し、時間経過無し、容量無限。
レベルの上がり具合を見るに、料理指導のように、他者へ教えることで経験値が大量に入るようだ。
聞いてみたら、料理は師匠の技を見て盗むのが主流のようで、直接指導の機会なんてないらしい。
料理人レベル4だと5年は経験を積んだ人になるので、1年の経験でレベルが1上がるかどうかが指導しない人のレベルの上がり方になる。
名前:マーヤ 25歳 女
種族:エルフ
職業:料理人 レベル4
ランク:D、商人ランクC
所持ポイント:0
スキル:魔力小アップ、料理魔法、《鑑定眼》、《経験値倍》、《パーティー》、《言語解析》、《再設定》、《メニュー》
《ストレージ》も魅力的だったけど、今のところ冒険者ギルド貸し出しの腕輪の収納だけでも問題無いので《パーティー》のスキルを増やした。
わたしの店で雇った人達を《パーティー》に指定して登録したら、《鑑定眼》、《経験値倍》、《言語解析》、《再設定》、《メニュー》のスキルがついた。
振り分けてないスキルポイントとか見えるようになったけど、この世界の人は自分でスキルポイントとか振り分け無いのだろうか?
実は自動振り分けで《再設定》のおかげで見えるようになったとかあるかもしれないので後で聞いてみることにしよう。
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【満開亭】では唐揚げ、マヨネーズを提供したけど、わたしはパスタが食べたい、良く作っていたしらすのパスタが……この世界にしらすはあるのかな?
というわけでパスタ作り、ルナールにお手本を見せながら作るよ。
鍋にお湯を沸かし、トマトを水煮した後ボウルに移して潰す、セロリはすじを取って、玉葱、人参と一緒にみじん切りにしてフライパンで炒める。
火が通ったら挽肉投入、解すように炒めて、色が変わってきたら塩胡椒とワイン少々。
更に軽く炒める。
「これでソースは完成」
「はい」
続いてパスタの方を作っていく。
パン用の小麦粉とお菓子などに使う小麦粉を混ぜてだまが出来ないようにふるいにかけながら均一になるようにするところからだ。
卵を1個割りほぐし、塩、水を入れて小麦粉の半分ぐらいの量ヲ作り少しずつ入れながら混ぜていく。
8割くらい入れたところで捏ねるのに専念、大きな塊が無くなるまで混ぜる、混ぜる。
「大きな粒がなくなってパラパラな小粒になったら少し休ませるから頑張って」
ルナールに指導しながら、どんどん作っていく。
休ませた後は固さをチェックしてルナールの方には水分が足りないので少し足す指示を出した。
生地をまとめて麻袋に入れると踏んで伸ばし、もみ込む。
食べ物を踏むことに驚いていたけど、こうすることでコシが出ることを説明してなんとか納得させた。
そんなこんなでパスタが完成したのだけれど最後で問題が発生。
この世界にはワームという細長い胴体を持つ巨大なミミズのようなモンスターがいるようで、パスタやうどん等の麺類はワームを連想するらしく、みんなが青い顔になってしまった。
仕方なく平麺に変えることになった。
「後は麺を茹でて、さっきのソースをかけて完成……フォークなどでくるくる混ぜて絡ませながら食べてね」
ミートソースは好評でパスタはうちの店の看板メニューとして採用になった。
シンが口まわりをミートソースで真っ赤にしながら夢中で食べてるのを見てほっこりした。




