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まさかの


【カイザーエイプ】と戦っていたパーティーに乱入した。

だいぶ弱っていたのと、今回の【カイザーエイプ】は魔術型だったおかげで、余裕を持って近づくことが出来た。

喉元に刺した槍を引き抜こうとしたが、なかなか抜けないので蹴りながら反動を利用して引き抜くと、ゆっくりと倒れていった。


鎧さんの方を向くと【カイザーエイプ】が倒れたことに驚いてるのか、こっちを警戒してるのか動きがない。

どちらかといえば思考停止状態って感じに見える。

周囲には特にモンスターがいなさそうなので、鎧さんに近づいていく、コミュニケーション能力は高くはないが、3年振りにみる人とのふれあいが今から楽しみだ。


「あの、大丈夫ですか?」


鎧さんに声を掛けると、フリーズ状態から復帰して距離をとって警戒したので近づくのをやめた。


「横殴りしてごめんなさい、危なそうだったからつい」

「(何を言っているんだ?……とりあえずそこで止まれ、わかるか)」

「えっ!?」


………………

…………

……


どうしよう、言葉がまったくわからない。

鎧さんが正気に戻ったように反応した、槍を置き敵対しないアピールしながら近づいていくと、かけられた言葉が聴いたことのない言葉だった。

鎧さんの手振りで止まってくれって言ってるのがわかったから、一応止まるけど久しぶりの交流が言葉が通じないとか難易度が高くなった。

理想は街まで連れていってもらうこと、そこまで考えて出来ることからやろうと考えて行動にうつる。


「(うん?どうした?)」

「倒れてる人、助ける、動かない人、集める」

「(ああ、そうか……手伝ってくれるのか?)」


頑張った、凄く。

一生懸命、身振り手振りで説明したかいがあった。

どうやら上手く伝わったようで、鎧さんと倒れてる仲間を回収していった。


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


「(ヴェノム、フレイム、ドレイク……まさかお前たちがやられるなんて)」


【カイザーエイプ】との戦闘で亡くなった3人の装備を回収して、気を失ってたローブの人が魔法で遺体を焼いた。

【カイザーエイプ】を手際よく解体すると鎧さんは目覚めた仲間と話はじめた。

わたしは空気を読んでおとなしく燃える遺体を眺めていた。


「(あのちっこいのが、助けてくれたのか?)」

「(あぁ、そうだ……弱っていたとはいえ【カイザーエイプ】に突っ込んでいく様は凄かった)」

「(それに、これも……伝説の回復薬(ポーション))?」


3人がこっちを見るので、とりあえず笑ってみる、何を話してるか気になるがもう少しかかりそうだ。


「(この島に、あんな生物いたか?、新手のモンスターなんじゃないか?)」

「(あんな見た目でも知性はあるんだぞ、フリル……言葉が通じないだけで)」

「(とりあえず依頼は完了したのだから帰りましょう)」

「(そうだな、ミラ……それを返してくるから)」


話が終わったのか、ついに鎧さんが1人だけこっちにやってきた。

頑張れ、わたし。


「(お前のおかげで助かった)」


鎧さんが、しゃべりながら回復薬(ポーション)の容器を渡してきたので受けとる。


「わたしも、一緒にいきたい、街までで良いのでついていって良い?」

「(ん?なんだ?……気にするなってことか?、わからん)」


鎧さんには、なかなか伝わらなくてちょっと泣きそう。

もう帰ろうとした時に無理やりくっついていくでもいいかな?たまたま進む方向が同じですみたいな感じでいい気がしてきた。


「(アリス、どうしたんだ?)」

「(なんか伝えようとしてるんだが、さっぱりわからん)」

「(おっ?よくみたら毛皮にところどころ草で補強してるのか……ってことは被りものか?コイツ獣人じゃないのか?)」


軽装の人が鎧さんを迎えにきたのかやってきた。

わたしを指さして何か驚いていたが、わたしの毛皮の服を調べはじめた。

竹モドキの植物に狼みたいな動物の毛皮を、蜘蛛の糸と草を編んで補強したのをベースに熊の毛皮を被っていた。


「(近づくと酷いな、返り血やら泥やら固まってるじゃないか……ちょっと脱いでみろ、これでもきて……あぁ言葉がわからないんだったか、脱・ぐ、わかるか?)」


軽装さんが顔をしかめている、まるで汚物でもみるような目でみてくる。

改めて自分の体をみると汚れが固まり臭いもキツイかな?

軽装さんが装備を脱ぐようなジェスチャーをしてくるのでふるふると首を振って後ずさる。


「(何をやってるんですか、フリル?怯えてるじゃないですか)」

「(アタイは別に、着替えさせようと思っただけだよ)」


今度はローブの娘がやってきて軽装さんに何か話す、雰囲気から注意してるようだ。

わたしのせいで軽装さんが怒られてるのだとしたら申し訳ない、とか思ってたらローブさんが軽装さんが手にしてたマントを差し出してきた。


「?」

「(タオルで体をふいてから、とりあえずこれをきてください、わかりますか?)」

「コクコク」


なんだろうとローブさんを見上げていたら、ローブさんも服を脱ぐジェスチャーをしてから、濡れたタオルで体をふく動作をして、マントをつける動作をした。

汚れを落とせってことね、タオルとマントを受け取り、わかったと頷いた。


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