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Dランク


ギルドランクがEにあがってから【ダンジョン】以外の依頼を積極的に受けた。

おかげで指輪の補正が無くても簡単な日常会話を出来るくらいには言葉を覚えた。

ミラ達が【ダンジョン】にかかりきりになっている間の討伐系、Eランクだとスモールラットやホラーバット等の小型のモンスター討伐、たまに倉庫への荷物搬入等のちょっとした依頼、値段もお小遣い稼ぎのような感覚だ。

午前と午後に依頼を受けていたら1月でDランクへの昇格条件を満たした。


名前:マーヤ 25歳 女

種族:エルフ

職業:村人(異世界人)レベル9

ランク:D

スキル:未定


新しいギルドカードを見るといつのまにかレベルがあがっていた、あいかわらずスキルは未定のままだった。


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


「ただいまマリア、午後からの依頼で良いのある?」

「マーヤおかえりなさい……目新しいのは入ってきてないわね」

「そっか……そうだ、職業ってどうやって変更するの?」

「職業?……【職業ギルド】に登録して神殿を利用すると変えられるけど、【冒険者】から変えちゃうの?」

「いや、【村人】のままだから」


マリアにギルドカードを見せてみる。


「おかしいわね、ギルドに登録した時点で【冒険者】に変わるはずなんだけど」


ギルドカードを返しながらマリアが首をかしげている。

職業を変えてみる為に、マリアに【職業ギルド】への行き方を教わった。

【職業ギルド】は【商業ギルド】、【冒険者ギルド】と同じ区画にあるようですぐにわかった。


受付を済まして、職業変更の列に並ぶ。


アルカディアオンラインでの職業は見習いから始まり、見習いが取れ無印、初級、中級、上級、超級、神級へとランクがあがっていった。

神級から先も隠しパラメーターが設定されていたので、やりこみには神級になってからが本番だった。

村人設定だったからか、どの職業も初級までのスキルは使えたけど、上級商人の【売却30%UP】や神級商人の【50%値引き】等のスキルは使えなかった。


「(次の方どうぞ)」


マーヤの番が来たので職業変更の用紙を書いて渡すと個室へと案内された。

マリアから聞いていたとおり、ギリシャ風の建物の模型があってその前に賽銭箱のようなものがあった。


「えーと、村人から職業変えたいです」


選べる職業がわからないから、賽銭箱に銀貨1枚を入れて希望を言う。


(あー……例の手違いの子だぁ、……どうする……わかった)


あれ?聞いてた話と違って、なんかバタバタしてるような声が聞こえた。

職業神って声が、就くことが出来る職業を教えてくれるはずなんだけど。


(『メニューを解放しました。詳しくはヘルプを参照してください』)

「ふぁ!?」


当然の事務的な声にもびっくりしたけど、【メニュー】というスキルが使えるようになったらしい。


名前:マーヤ 25歳 女

種族:エルフ

職業:村人レベル9

所持ポイント:8


メニューを開くと頭のなかにステータスウィンドウが見えた、良く見たアルカディアオンライン仕様のウインドウ。

何故か持ってるポイントでスキルや職業解放等出来るようだ。


「職業は下級職は全部選べるね」


職業リストを開くと選べないのは灰色、選べるのは白で表示されていた。

アルカディアオンライン仕様なら上級職につくためには、下級職から育てないといけないものや、複数育てないといけないものがあったので灰色でもそのうち選べるだろう。


暗黒(ダーク)騎士(ナイト)を解放しますか?』


灰色表示でもポイントを注ぎ込めば解放出来るようだ、解放のための300ポイントが高いのかどうかわからない。


正規の手順であれば、戦士→狂戦士(バーサーカー)闇戦士(ダークウォーリアー)暗黒(ダーク)騎士(ナイト)と育てるはずで、アルカディアオンラインでマーヤも極めたことがある。

中級職の闇戦士(ダークウォーリアー)の装備によるマイナス補正がエグくて育てるのが苦労するので育てる人は稀だった。

その分、暗黒(ダーク)騎士(ナイト)には高威力の近接技や広範囲のスキルに使いかってが良いのがそろっていた。

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