不気味なきのこの姫君 アシュリー・グラハム伝-最後の騎士-
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アシュリー・グラハムはオークツ人工星群の総督である。オークツ人工星群は、そのいびつな見た目から「不気味なきのこ」と呼ばれていた。人々はそのため、その星の総督のことを、美しい見た目とは裏腹に「不気味なきのこの姫君」と陰口をたたいたのである。
アシュリー・グラハム…正式名はグラハム7世である。伝説的な将軍の一人、初代グラハム(カイリ・グラハム)の末裔である。カイリ・グラハムは、統治能力だけではなく、CAパイロットとしても非常に優れていていた女性だ。そのため、オークツ人工星群を一大勢力にまで築き、群雄割拠の時代にあって、第10コロニーに攻め込むにいたったのである(カイリ党の叛乱)。しかし、その後、中央のコロニー連合では戦乱が治まり、オークツ人工星群の利用価値が低くなった。そのため、オークツ人工星群は孤立し、独自の政治体制となり今にいたっているのである。
カイリ・グラハム以降の総督は、徐々に軍人的な性格を弱め、統治者としてのみ君臨するようになった。アシュリーもまた、その性格が強い統治者だった。それがゆえに、オークツ人工星群では、軍人達が総督の体制基盤の中心を担うようになる。もともと、オークツは軍事地帯として生まれたため、軍人が多い星だった。現在では国民のうち、実に5割が軍需産業に関わっているのである。
そのような背景にあって、総督の地位は徐々に形骸化し、軍人たちが力を持つようになった(軍人政治)。その状況を打破しようとしたのが、アシュリーの父であるグラハム6世であった。グラハム6世は、軍人政治の中心であるルコン将軍の力を奪う動きを強めた。グラハムはルコン達、上級軍人と政敵にあった若手将校派と共に改革に乗り出したのである。しかし、過去にもたびたびあった軍人のクーデターに合い、幽閉後に病死した(謀殺説もあり)。
ルコンはグラハム6世を失脚させると、自らが総督に付こうとするが、これは阻止された。結局、まだ15歳だったアシュリーが、総督に付くことになったのである。アシュリー・グラハムは、それから10年の間、権力を持たない総督となったわけである。しかし、アシュリーは内々で計画を進め、失脚した若手将校たちを援助。その中にいたのが、若かりし日のアイズ・シャウトマンだった。
宙歴1001年.2月になると、公然とルコン将軍に反旗を翻した。そして、ルコン派との内乱に発展するのだが、その時に活躍したのがアイズ・シャウトマンだったのである。アイズ・シャウトマンはアイズ党と呼ばれる極めて勇猛果敢な兵を持ち、アシュリーの勝利に大いに貢献したのだった。
ルコンを破ったアシュリー・グラハムは、ついに総督の権力を取り戻すにいたった。