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幼なじみは大怪盗  作者: 山野いちご
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銀髪、碧眼ですが‥‥何か?

私の名前は楠木神楽、16歳。


この辺りでは有名な大きな楠が御神体とされる楠木神社のひとり娘だ。

休みの日は巫女さんをしているが、私も巫女さんらしからぬ巫女さんとしてちょっと有名人である。

というのも‥‥


父は強面ながら優しい人だ。

が、何を間違えたか神職のくせにフランス人をお嫁さんにもらってしまったのだ。

母は当時日本語を勉強しに来ていた学生だったので、さほど日本語ができなかったそうだが、これまたフランス語の出来ない父にもうアタックされたそうだ。

父いわく一目惚れというやつだったらしい。

何を言っているか半分もわからなかったそうだが、誠実な父の姿に母もその気になったようで、なんと出会って半年で結婚してしまったそうだ。

よく神社の跡取り息子と結婚をしたものだと、母の行動力は尊敬する。

今では日本語ペラペラの和服の似合う奥様である。


その2人の間に生まれた私は、母の血を色濃く受け継いでしまい、色素の薄い銀髪に碧眼の、神社に似つかわしくない色を持って生まれてしまった。

小さい頃は、周りの子供たちと全く違う色を馬鹿にされてよくいじめられたものだ。


そんないじめられて泣いていた私を庇って助けてくれたのが、お隣に住む幼なじみの藤岡理玖。

いつも泣いている私を背中に庇って、自分より大きい子にも立ち向かってくれた、私にとってのヒーローだ。


理玖は大きいお屋敷に住んでいてお父さんはいくつもの会社を経営している社長さんらしく大変なお金持ちらしいが、

「俺の金じゃないし。」

と、本人はバイトに明け暮れているらしい。

全くお坊ちゃんらしさゼロだ。

そんな理玖は私と違って社交的でクラスの人気者だ。


「かぐらはオレがずっとまもってやるからな」

小さいときの約束はいつまで有効ですか?

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