表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/8

パートPast1

わたし、くうちゃん。ごさいのおんなのこ。きょうは、はじめてのおともだちにあいにいくの。そのこのなまえは、てねちゃんっていうのよ。おかあさんのおともだちのこどもで、このあいだ、おひっこしっていうものをしたみたい。それで、おかあさんたちが、このまえにあったとき、おはなしがもりあがったんだって。ぐうぜんってすごいって。しばらくのあいだあえないでいたのに、いえがとなりどうしになるなんて、すごいてきなことをいってた。はやくあいたい。どんなこなのか、しりたい。




あってきた。もちろん、おんなのこだった。はじめてのおともだち。おともだちがふえることはうれしいことなのに……、それなのに……。わたしのおともだちはとんだばかなおんなのこ。こんなさいていなこ、となかよくなるなんてむり。なぜなら、わたしがそのことなかよくなりたくないから。おかあさんにぐちったら、おこられるから、いわないけど、ほんとーにかかわりたくないの。だって、とってもへんなこなんだもん。



おそとであそんでたら、きゅうにおなかすいたーっていって、おうちのかだんにあったきれいなおはなをたべていた。そのあと、じしんのおかあさんにおこられていたけど、おかあさんのしわがふえたーっていってわらっていた。わたしのそうぞうどおり、てねちゃんのおかあさんはもっとおいかりになったよ。でも、てねちゃんはまったくきにしてないの。



ほんとーにへんなこで、さいていで、ばかなおんなのこだなって、このときはおもっていただけだった。かかわりたくないとはおもっていたけど、もっとてねちゃんとかかわりたくなくなったおおきなりゆうがある。それは……。




その理由は、クウちゃんはテネちゃんのせいでまきこまれたからだよ。一緒に誘拐されてしまったのさ。テネちゃんが不用意に怪しげな男についていこうとしていたのを止めようとしたクウちゃん。でも、テネちゃんはお菓子とかおもちゃを買ってくれたからいい人だと言う。その時、クウちゃんは呆れたというような目をテネちゃんに送っていたよ。



クウちゃんは、テネちゃんに耳打ちした。


「おかあさんたちはしらないひとたちについていったら、だめっていってたよ。だから、かえろうよ。」


クウちゃんはテネちゃんにコソコソ話した。しかし、テネちゃんは大きな声を出す。


「しりあいだもんっ! てねのほしいものをたくさんかってくれたいいひとだもんっ!!」


そのように少女は言い、怪しい男の手を握る。せっかく、クウちゃんがテネちゃんにこっそり教えたのにね。テネちゃんはそれを台無しにした。それからだ。もう、テネちゃんにだけわかるように伝えたところで、怪しい男は彼女たちがどんな話をしていたのか通じてしまっているだろう。今更、耳打ちで伝えたところで、それは意味をなさない。



クウちゃんは、思い切って話す。


「いいものをかってくれたからって、いいひとなのかはわからないよっ! そのひとに、ついていってなにかあったらおかあさんにおこられるよ。」


怪しい男を指差して、クウちゃんは述べた。冷静なクウちゃんとは違って、テネちゃんは地団駄を踏み、さらに、癇癪をおこす。


「もうっ! うるさい!! いいひとっていったら、いいひとなのっ!!」


どうやら、怪しげな男のことを信じきっているようだ。クウちゃんより……。


「むーー、しらないんだからっ! いたいめみても、くうちゃんはしらないから。」


そのように発言した。そして、去ろうとしたが、そう上手くは逃れられない。



怪しい男はニンマリと嫌な笑みを浮かべていた。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ