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【箱】詩

Shall We Dance?

作者: FRIDAY

 

 おお! 僕の愛しのマリエッタ 今日も君は美しい

 そんなに綺麗な君だから 狼の誘いが心配だ!

 おお だから愛しのマリエッタ 僕と踊ってくれないか!


  ああ! 親愛なるエルキース 今日もあなたは軽薄ね

  甘い言葉を次々と 乙女にかけて回るのでしょう?

  ああ 男はみんな狼よ あなたとなんか踊らない!


 おお! 僕の愛しのマリエッタ つれないことを言わないでおくれ!

 誰もがみんな美しいから 声をかけずにいられないのさ 花に魅かれる蜂のように!

 おお それでも一番は君だから 浮気な僕を許しておくれ!


  ああ! 親愛なるエルキース 駄目よ 私は許さない

  男はみんなそう言うの あなたのような軽い男は!

  ああ 一晩私と遊んだら 明日にはあの子と手を繋いでる!


 おお! 僕の愛しのマリエッタ そんなわけがないじゃないか!

 いくら何でもこの僕を そこらの男と思うなかれ!

 こう見えたってこの僕は 重厚謹厳で鳴らした男!

 おお だから愛しのマリエッタ ちょっと僕を信じてみないか!?


  ああ! 軽薄なるエルキース 駄目よ 私は信じない

  軽佻浮薄で鳴らした男 ヒモ野郎とはあなたのことよ!

  羽毛を越えて軽い男と踊る女と思わないで!


 おお! 僕の愛しのマリエッタ もう少し言葉を選んでおくれ!

 君の舌鋒は魅力だが 僕のハートを労っておくれ!

 薄氷の如きガラスハートに バスバス穴を開けないで!


  ああ! 厚顔なるエルキース 言うに事欠いてお笑いね

  ゴムみたいに厚い顔して 空気の抜けたボールの癖に!

  私と踊ろうと言うのなら ちょっとは繊細を知ることね!


 おお! 僕の愛しのマリエッタ よもや僕を掴まえて 繊細を知れとは驚きだ!

 花よ蝶よと育てられ 美をこそ愛するこの僕に

 繊細さのないわけがない!

 そして美を愛でる心のあるこそ 君を愛でずにいられないのさ!


  ああ! ナルシストなエルキース 正直あなたは気持ち悪い!

  女々しい御趣味をお持ちのようで もっこりタイツがお似合いね!

  スリムな殿方は嫌いじゃないけど モヤシなあなたは論外よ!


 おお! 僕の愛しのマリエッタ モヤシはちょっとヒドイじゃないか!

 それじゃあ皆が怒ってしまうよ 僕だから許してあげるのさ!

 おお 見たかい愛しのマリエッタ 僕の広大な懐を!


  ああ! 守銭奴なるエルキース 駄目よ 私は騙されない

  自分にメリットのない話には 鐚一文出しやしない!

  ティースプーンより可愛い器に 誰が頼ってやるものですか!


 おお! 僕の愛しのマリエッタ 僕らの時間は無限じゃないのさ!

 こうしている間に次々と 時間は過ぎて戻らない!

 ふたりが一番綺麗な今こそ 輝きの中で踊ろうじゃないか!

 おお 僕の愛しのマリエッタ ともに手を取り踊ろうよ!


  ああ! 愚鈍なるエルキース 壁の時計を見てみなさい

  あなたが時間を浪費する間に 今宵の宴も御開きよ!

  私の時間も食われたけれど それは別にもういいわ

  だから愚鈍なるエルキース 今日もすごすご帰って頂戴!


 おお! 僕の愛しのマリエッタ 僕は決して諦めない

 君の手を取るその日まで 僕はステップをやめないよ!

 だから教えてマリエッタ 僕はどうすれば君と踊れる?

 おお 僕の愛しのマリエッタ せめてそれだけは教えておくれ!


  ああ! 無駄に不屈なエルキース その根性だけは認めてあげる

  けれども駄目よエルキース ずっと何度も言っているでしょ

  あなたは私の好みじゃないの 私の好みの真逆なの!

  ああ 親愛なるエルキース それでも私と踊りたいなら

  あと百回くらいは生まれ変わることね!









 

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