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緑の星になって

 オレがオレとして存在できなくなるのには瞬き一つも必要なかった。

 戻った記憶の奔流に呑まれる向こうで、オレの体に手を伸ばす……さっきまで憎たらしかったはずの──本当は懺悔すべき旧友。

 オレは跳ねっ返りで、いつもいつも、お前を手間取らせていた。いくら謝っても足りない。

 まさか、記憶を失って、再会して、お前だけ苛まれる道を選んでいたなんて、今まで知りもしなかったよ。……本当、ごめん。

 なんて謝ったらいいんだろうな。いや、オレが引き起こしたことは謝るくらいで済むことじゃない。

 親友の大切な人を奪ったんだ。大義名分を掲げながら、私利私欲のために。




 なぁ、どうしてこんな道を選んだ? オレに懺悔をさせてくれよ。

 オレが死なせてしまったあいつにも、会っていたのに、ごめんの一つも言えやしなかったじゃないか。オレはどうやって償えばいいんだよ、このどうしようもないくらいの罪を!

 お前らが、許してくれたってなぁ、オレがやりきれないんだよ。結局、最後の最後まで、苦しんだのはお前らだけじゃねぇかよ!

 ……こんな理不尽な世界でいいのかよ……?






 でももうオレに成す術はない。

 だからもういないあいつに向けて、想いを告げておこう。

 オレは死んでもきっと、あいつと同じところには行けないから。











「さよなら、愛しい人」



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