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8/11

一方その頃、臓器提唱者となったほうは

 その頃、生体輸血に不適切とされた、女性である佐々木綾は手術用ベットに縛り付けられ、顔を動かせないように固定されていた。

その隣には角膜の白濁で失明している患者が角膜の手術を受けられることを心待ちにしている。


 通常は移植用の角膜はその他の臓器と同じように脳死患者などから取り出すの普通であるが、角膜は心臓が止まった心臓死の人間からもえることはできる。


 しかしながら現在の日本国内で角膜移植を希望し、その提供を待ちながら待機している患者数は公称で5,000人以上だが、実際にその必要がある患者は3万人以上いる。

しかし、日本では提供される角膜の不足により、日本国内で行われている角膜移植は年間2000件程度しかない。

では、どうしても角膜が欲しければどうするのだろうか?


「いやー、やめてー!」


 綾は叫ぶがそれを聞いて動きを止めるものはいない。


「では、移植用の角膜の摘出手術を開始します。

 メスを」


「はい」


 オペは冷酷に行われていく。

そう彼女は行きたまま角膜を手術で取られていたのだ。

目の手術というのはなかなかに怖い。

まぶたを閉じることもできず、目に入ってくるメスはモロ見えである。


「ああああああああああああああ!

 目が目がぁ!」


 メスがずぶりと眼球をえぐり角膜をえぐる。

眼球を動かせないようにと痛みを感じないように局所麻酔は当然済ませてあるが、見えていた目がメスが刺さることで唐突に見えなくなるのは恐ろしい恐怖だ。


「ああ、目が、目が見えないよぉ……」


 一方、角膜の混濁で失明していた老人への移植手術は無事成功した。

オペを行った医師は患者に聞いた。


「どうですかな?」


 老人は晴れやかな顔で言った。


「目が見えるようになるのがこんなにすばらしいこととは

 思いませんでしたわい」


 医者は頷く。


「目薬の定期的な投与を忘れずに行ってください。

 そして角膜が固定されましたら、抜糸の必要がありますので

 再び来てください」


「はい、ありがとうございます」


 目の光を取り戻した老人はウキウキしながら出ていった。

そして目の光を失った方は部屋に取り残される。


「うう、なんでこんなことをするのよぉ」


 医師は冷たい声で言う。


「それがあなた達の役割だからですよ。

 この市に金を出しているパトロンは自分お身体の健康や

 美容の維持のために資金提供を行っているのですから」


「そんなのって無いよ……」


「いいですか?

 この世は金を持っているものが強いのです。

 そうでなかった両親を恨むのですね」


 そう言い残して医師は部屋を退出した。


「私は……私は他人に臓器を奪われるために

 そのためだけに育てられてきたというの……

 あんまりだよ……」


 その言葉を聞くものは誰もいない。

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