創始界レアシオ
異変に気がついたのは目が覚めてすぐのことだった。
天井が違う、と言うかおれは電車で寝ていたよな…!?
状況が掴めない。夢か?おれは夢でも見ているのか?そう思いつつ輝は頬をつねってみる。痛い、現実なのだ。
「まじかよ…夢じゃ…ない。」
そう、これがいまから始まる長い冒険の始まりだった
とりあえず状況確認だ、そう考えるが全くの覚えがない。恐らく、ここは地下らしい、冷たい鉄格子に囲まれ大変息苦しい。どこにいるかも分からない上に服まで変わっている。
「どうすっかなー…」
そのとき、コツコツと足音が聞こえた。
「先日、異世界人と思われる男がまた創栄の泉で倒れていたんですよ。持ち物もこの世界のものでは無いですよ、あれはほかの世界から来たと考えて良いでしょう。」
創栄の泉?ほかの世界?
「ほう、それは大変興味深いな。またあのタイプか?」
「いえ、実は…」
「どうした」
「能力が不明なのです。私の能力解明<<スキルセンサー>>でも表示されません。」
…スキルセンサー?中二病か?
「おい!ここはどこなんだ?地球じゃないのか?」
と、少し声を荒らげる。
「おや、目を覚ましていた様だね。」
「今回は早いですね。」
「どういう事なんだ?おれは電車で寝ていて…」
「いきがいいな、今回の商品は、おい、答えてやれ」
商品?
「そうだな、ここは創始の世界、"レアシオ"お前の住んでいた世界とはまた違う世界。異世界だ。」
レア…シオ…?異世界?うーんどうやらこいつらは頭がおかしいらしい、馬鹿馬鹿しい。
「おれは明日も学校があるんだ、そろそろ本当に帰らせてくれないか?誘拐なら諦めておけ、親はおれの事なんて心配なんてしないぞ。」
「残念だが帰る方法はない。おまえは今いる状況をしっかり考えるべきだ。おまえはこの後、奴隷商人に売り飛ばされるんだぞ。
ははは、今のうちに腹でも括っておくんだな。」
「待て!どういう事だ!」
聞く耳も持たず二人にありったけの罵詈雑言をぶつける。
そんなことは無駄だと分かっているが、どうすれば分からないのだ。
輝以外誰もいなくなった静かな地下には、輝の声が響くだけであった。
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更新、遅めです