世間が嫌いな少年
"毎日がつまらない"
そう思うようになったのは最近のことではなかった。
勉強したってなんの役にも立たない。
どうせならゲームやマンガの世界に生まれたかった、こんなクソみたいにつまらない世界より幾分ましだろう。
来年には大学受験を控える高校二年生の十川輝はそんなつまらないことに悩まされていた。
「所持金は…まじかよ、百円しかないよ。これじゃあお腹いっぱい食べれないじゃん…」
しかたない、帰るか。
どうせ外には何も無い。
とまた物思いにふける。
友達もいなけりゃ、恋人もいない。家に帰ってゲームでもしよう。そしてシコって寝よう。これが一番のたのしみなのだ。
ここ京東はこの国の首都だ。おかげで無駄にさわがしい。
やはりおれは京東が嫌いだ。
バカみたいに騒いだり迷惑をかけたりしするやつが多いのだ、こういうでかいところにはバカが集まる、だから嫌いだ。
おれはここから電車で小一時間ほどのところに一人で暮らしている。
親はもうどこにいるかも分からない。昔からそうだった、今では仕送りだけが送られてくるだけ。
親の愛情さえうけて育たなかったおれは人の温もりなんて知らなくても生きていける。
才能だってある方だと思う、小さい頃から何をやってもある程度はできる。
見よう見まねでやればなんだってできる。
最近は人と関わることをできるだけ拒んできたから、そんなこと、出来るかはわからないが。
そんなことをぼんやり考えながら電車に揺られ、いつの間にか輝は微睡に吸い込まれて行った。
初投稿です
趣味で書いてるので至らぬ点が多々あると思います