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またしても私はボッチになる,一日目

卒業まであと7ヶ月となったが私は一向にボッチのままである。


このままでは集合写真時に幽霊と間違われるほど暗い顔をして写ることになってしまう。

それはなんとしても避けなくては、

そこで私はクラスで目立つ事でもしようかと思う。


「あらあら乃木(のぎ)君。いつになく晴れた顔をしてるじゃないですか。なにかお企みで?」

乃木とは私の事である。

そして今私の名を呼んだのは動物園にいるようなキツネでなくイラストでもちいられる目のつりがったキツネのような顔をした男(詳細不明)である。

顔に似合わず声が低い。


「詳細不明、お前は私の表情で何を考えているのかわかるのか?」


詳細不明は唯一私に近寄ってくる人間だ。

コイツの詳細は明かされていない。

だがもしかしたらコイツが見えるのは私だけなんじゃと思うほどクラスに存在感がない。

いや、もしかしたらもなくそうなのかもしれない。


「いんや、分かりませんよ。僕は人生の100%勘で生きているので、」


勘に頼るなど私には信じられない。

勘で生きて一つも正解の道を進めなかったらどうするのか

いや、たまには勘もいいのかもしれない。

しかし私は女でないので勘は当たらないだろう。


「で、乃木君。やはりなにかお企みで?僕でよければお手伝いしましょうか?」


集合写真を明るくとりたいからクラスで目立つ事をしてボッチ脱却をしたいなんて到底人に言える事ではない。

ましてやこの男にだけは。

詳細不明であるため教えたら何をしでかすか分からない。

もしかしたら今動画を撮っていて私の返答を某動画サイトに載せる可能性がある。

しかしその場合は私の存在が日本中に広がるわけであるからプラスなのか?

いや、ボッチ脱却する男として名が広がるのはごめんである。


「心遣い感謝するがお前には手伝える事はない。」


「つれないですね~、私達の仲でしょう?

私とお前の仲はファミマとローソンのような仲ではないか。

現に詳細不明はローソンのバイトをしているらしいが詳細は不明である。


「ローソンとファミマの仲じゃないですか。コンビニという同じジャンルなのにどちらの方が人気か競いあっている。まさに同じ男子高校生でどちらがクラスでより人気があるか競いあっている僕達のように。」

「お前と競いあった覚えはない。」


読者諸君、勘違いしないで頂きたいが私と詳細不明は仲が良い訳ではない。

コイツが勝手に私に寄ってくるだけで私としてはこの男に何の親しみも覚えていないのだ。


「まぁそれはおいといて知ってますか?近々行われる生徒代表の会議で卒業記念にするパーティーの内容を決めるらしいですよ。何になるんでしょうねぇ」

「なに、もう決めるのか?」

卒業までまだ余裕があると思っていたが現実はそうでないらしい。

果たして私はボッチ脱却できるのか?

はたまたボッチのまま卒業するか。

後者はなんとしても避けなくては、

そう、残りの高校生活をピンク色の気持ち溢れる楽しげなものにしなくては、

もしかしたらすでに手遅れかもしれない。

だがしかし詳細不明と同じく一人虚しく過ごすのは耐えきれない。


「ま、僕にはどうでもいい事なんですけどね、」




今日はバイトがないため早く家に帰ることができる。

私は部活に入っていないし、放課後遊ぶ約束もする事がないのでほとんど引きこもりっぱなしだ。

だが最近そんな暇を紛らしてくれる楽しいでききごとがあるのだ。


言えばネットである。

チャットにはまりにはまった私はバイトがない日はさながらニートのような生活をおくっている。

しかし私はチャットがないと生きていけない体になってしまった。

きっかけは一ヶ月前


人恋しくなった私はも○ちゃとというチャットに参加した。

たかだかネットごときで私の心は癒えないだろうと思っていたが以外にもチャットにおおはまり。

チャット仲間は私を知らないがために学校の人間とは違い私に優しく接してくれた。


そしていつしか私の居場所はここなんだという安心感がめばえ、チャットに依存する生活が始まった。


チャットこそ本当の自分をさらけ出せる私のオアシス。

私はチャットをするために産まれたのだ。

ネットの世界がまさに私のいきる場所。


そうして私は中ネット中毒になったのだ。


だが別に構わない。

チャットの皆に必要とされているのだから、私がいないと盛り上がらないのだから…


いや、何が別に構わないだ。

構いすぎるだろ

私の目的はなんだ?

学校でのボッチ脱却だろう?

ネットで友達を作っても意味がないじゃないか。

しかも話し相手は皆40代だし…


こうして私はチャット脱却に成功した。

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