プロローグ
20xx年、今日も世界はかわらない、繰り返す日常は平和で退屈で、いつもとかわらない朝を迎え、変わらない一日を過ごし、いつも通りの帰り道を歩く。
漫画やゲームみたいな世界のように、核の炎に包まれるでもなく、巨大隕石が降り注ぐわけでもなく、屍の歩く街を作るウィルスが蔓延るわけでもない。
剣も魔法も超能力も使えない日常、だけど確かに気に入っている日常。
そんな日常がいつまでも続くと思っていた。
その時、俺は知らなかっただけだった…。
俺たち人類は知らなかっただけだったんだ… 。
地球は、俺たちが平和だと思うこの青い星は、どうしようもなく弱肉強食の世界で、生存競争を勝ち抜くために進化し続けているということを…。
近年多発する大災害、その危機に対して手を取り合い、平和を手に入れ、進化を止めた俺たち人類と違い、生物たちは個の強さを持ってこの災害を乗り越えるべく進化し続けた。
猿から人へ変わる急激な変化、俺たち人類はそんな種の進化を経て今がある。
他の生物にもそれは起こるということが、想像できなかったわけじゃなかったはずなんだ。
巨大化、頭脳の発達、擬態やその他適性をそなえる生物としての進化は俺たちの考えを大きく覆す。
進化は学者たちがいれば狂喜乱舞するような奇跡の連続、合理的なものからそうでないものまでの多種多様な変化。
そんな進化が、俺たちの日常に牙をむく、そんな日が来ることを、俺は知るよしもなかった。
俺たち人類は知る由もなく、その脅威と戦うことになった。
これはE2(Explosive evolution.爆発的進化)と呼ばれる世界的変化と、それに抗ったハンターたちの物語。
俺たちの、現実と戦いの物語だ。