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1話:どうやら僕は死んだらしい

2作目1話目です。


夜中に隣の部屋から『ぅお~ぃい~』という叫び声が聞こえます。非常に迷惑です。

では、どうぞ。


―――・・叫び声が聞こえる。



「-せ--ッ!ー」



白壁に覆われた小部屋に一面だけガラス壁があり、僕が外部に接触できない様に何十にも重ねガラスで張られ、部屋をでることもできず、ベットから動くこともできない。



ここは隔離施設の様な存在の場所。一応病院という肩書きだが、人体実験をしているのと変わらないだろう。



エア・コントロールされた無菌室で真っ白い部屋。数年前ここにきてから、何も面白い事が無い。見舞いに来る人達は皆泣くし、僕の顔が固定されていて誰が誰だかも良くみえず、聴覚までもが衰えてきた僕には、もう人を見分ける力など皆無であろう。



病状は結核。マイコバクテリウム属の細菌、主に結核菌 Mycobacterium tuberculosis により引き起こされる感染症だ。



正確には肺結核。僕はその中でも極めて危険な多剤耐性肺結核だった。当初は全身倦怠感、食欲不振などが起こり、体重の減少と共に微熱が長期間続いた。それを訴え、病院に行った所多剤耐性の肺結核だった。




ピ――――。




嗚呼、解説してたら死んでしまった。














『【システム起動確認しました】』










◇◇◇◇◇◇












『うわ!?・・・・・ま、眩しぃ?』


『【成功を確認。現状を報告致します】』


『ッ』



突然の光に瞼を閉じていた僕の頭に無機質なシステムメッセージが響くと同時に酷い頭痛に襲われる。



『【現段階で【】様の肉体死亡を確認。自動型AIの起動確認。【】様の意識覚醒を確認致しました】』



男とも女とも似つかない声を頭に響かせながら、光に慣れるためにゆっくりと瞼を開けた僕は見慣れた真っ白い部屋ではなく、産まれて初めて観たであろう程の真っ黒い空間に立っていた。否、今の僕に身体が存在しているはずが無いので"立っている"ではなく"居る"が正解なのだろうか?



というか、何を根拠に僕は『身体がない』と分かったんだ?いや違う、このシステムは"私"が造ったんだ。



開けた視界に移るのは宙を浮く受話器の様なもの。これは自動型AIが姿を持つことで、実験に支障がでる可能性が生まれるためになるべく小さく、僕"達"が『声が聞こえる物』と認識しやすい物を選んだ。結果が受話器だ。



このシステムを造った張本人は僕ではない。正確には、現在僕と同期している"もう一つの人格"いや、"もう一人"と言った方が良いのかもしれない。



僕は誰だ?僕は朝倉直也18歳だ。じゃあ私は?私は斉藤綾音32歳。



結論を言おう。朝倉直也の精神や思考が斉藤綾音の精神や思考と混ざった。現在は僕の精神や意思が上の様で、"僕"という一人称のままだ。



朝倉直也と斉藤綾音が6:4の状態が現在の僕。ということになるのだろう。



『【プログラム起動確認】』



この声は自動型ナビゲーションシステムAI。斉藤綾音がVRシステムを造るにつれ、つくった機能。


斉藤綾音の正体は―――天才。僕達は既に自分と同期している状態なので、自分で自分を褒めている状況なのだろうか。




『【それでは、SMOソードマジックオンラインを―――】』






そして俺達はSMOの世界に向かった



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