第二章
「俺と付き合ってくれ」
放課後の特別教室に響いた恥ずかしいぐらいのまっすぐな告白。それは俺の第一声だった。
「・・・・は?」
彼女は顔をゆがました。そんな顔も優雅で、目を離すことができない。
「・・・・誰ですか、あなた」
「あ、名乗ってなかったね!土御門翔っていうのだけど、知らない?一応、生徒会長してるんだけど」
「知らない。興味ない」
「なら、覚えてくれ。そんなことより君の名前は」
「・・・・不知火・M・奈菜」
彼女は下にうつむきながらつぶやく。あれか?人見知りってやつか!かわいいな。そんな姿も天使のように見えるのは恋の力ってやつか。あはは。
「あなたは・・・私に何のよう?」
彼女は不思議そうな目でこちらを見つめた。
何の用ってあんなにはっきり言ったのに聞こえていなかったのか。
俺は最初の発したセリフを再び口に出そうとした。が・・・・
「あ、会長くんだ!」
「お、ラッキー」
邪魔が入った。
こいつらは本当に神経どうにかしているのではないか?
いつも、いつもいらないことだけしてくれる。だが、それを顔に出しては今までの俺の努力が水のアワだ。
「どうしたのですか、先輩」
その一言でキャーキャー言い始める自称先輩方々。
一年も早く生まれたくせに何をしていたのだ、こいつらは。
嫌気がさし、顔を不知火さんの方に向けると彼女はそこにもういなかった。
「どうしたの?翔くん」
「いえ、さっきまでここにいた女の子はどこにいったかと思いまして」
「えぇ〜、誰もいなかったよ〜」
誰もいなかった?そんな馬鹿な事があるか。彼女はついさっきまでそこにいた。こいつらにうんざりして姿をけしてしまったのか。
とりあえず、生徒会の仕事があるので、といって先輩たちとわかれた。
名前は聞いたんだ。クラスを調べれば明日会える。そんなウキウキな気分で生徒会室にスキップしながらむかった。
翌日、あんな事態になるとは少なくとも俺は思っていなかった。