8,危険な三階
飢餓感から脱すること数時間後、これまでの探索はあまり変わり映えのしない通路を進んでいき巨大ネズミ3体を殺すことができた。
この場所がダンジョンと呼ばれる場所であるのなら襲い掛かってくる生物に限りはなく自身のレベルアップにつなげることができる、そうすればたとえ人に出会ったとしてもすぐに討伐されることなく逃げることができるかもしれない。
淡い期待を込めながら探索は進んでいき、時折訪れる飢餓感を満たしながらもこの空間のマップを脳内で描いていく。
この二階は一階よりも多少広いようですでに行き止まり二回、分かれ道三回に出くわしている。
もうそろそろ次の目的地やゴールが見えてきてもおかしくないと感じながら進むと、とうとう地下へと降りる三階への階段を発見することができた。
三階へと進むと目についたのは二階とは違い少し通路の幅が広くなっていることである、しかしそれ以外は特に変わらず変化があるのはここからかもしれないと気合を入れなおす。
そして、とうとう三階における変化が現れた。
それは生物の反応を確かめながら進んでいた時である、小さな部屋に突入した際に聞こえたかすかな声
「キィキィ」
巨大ネズミとは違い小さく甲高い声は、小部屋の天井付近から聞こえているようである。
薄明りに目を凝らしてみてみれば、羽をたたんだ大きな蝙蝠であった。
巨大ネズミと同じぐらい羽を広げればそれ以上になりかねない蝙蝠は、頭を下にして天井にぶら下がっている。
どうやら蝙蝠はこちらに気づいておらずジャンプをすれば届くような位置にいることからも倒せなくなくはないだろう。
そう思いゆっくりと蝙蝠の真下まで近づき両足に力を込めてジャンプをし、一気に蝙蝠との距離を詰める、右手で蝙蝠の羽をつかみ地面に足が着いた瞬間に左手のナイフで羽を切り落とす。
「ギィィィーー」
羽を切り落とされた蝙蝠は飛び立とうとしながらもできずにバタバタと地面で暴れている。
蝙蝠が落ち着いたころを見計らってしっかりととどめを刺せば、落ち着いて蝙蝠を観察することができる。
振り返ってみれば初手で地面にたたき落とし飛べなくなってしまったからこそ楽に倒すことができたが、これが小部屋の中を自由に飛び回っていれば相当に厄介なことになっていただろう。
「レベルアップしました」
そうアナウンスを聞きながら懸念していたことはそのすぐ後に訪れることとなった。
小部屋を出た後の通路であったが、目の前から蝙蝠が飛んできたのである。
「キィキィ」
と羽を広げれば巨大ネズミより大きい蝙蝠がとんでくるのはなかなかに恐怖であり、爪や牙でこちらを引っ搔いてこようとしてくる際にナイフで切り込んでもひらりひらりとかわされてしまうのであった。
ようやく倒し終わったころには腕や服もひっかき傷だらけであった、痛くはないがこうも戦闘のたびに毎回傷だらけになっていては持たないものである。
三階における蝙蝠の危険度を引き上げつつゆっくり探索を再開していくのであった。




