表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
動き回る死体  作者: QRコード


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

7/10

閑話、新しいダンジョン発見 

「よし、こんなもんか」


一人の男が草根をかき分け汚れながら薬草を採取していた。


男は都市生まれ都市育ちであり、駆け出し冒険者として近くの森へと薬草採取の依頼をこなそうとしていた。


この森は深層、中層、浅層と魔力の濃さによって分けられており、比較的浅層は出てくる魔物も弱い部類の魔物しか出てこないことから、駆け出し冒険者の男としても安全に依頼をこなすことができる場所であった。


ほかの場所にも薬草はないかとあたりを見回していると、一本の巨木が男の目に入ってきた。


(あんなに大きな木の周りだったら薬草の一本や二本生えているだろ)


そう考えながら男は巨木の周りを入念に見て回る。そんなとき根っこと根っこの間に穴が開いているのが見えた。


穴の中を興味本位で覗いてみれば地下へと続く階段がそこにはあった。


(おいおいまじかよこんな場所に地下への階段だと、もしかしてもしかするとこれはダンジョンか、そうだとしてもこんな場所にダンジョンがあるとは聞いたことがない、、そうだとしたらこれは新しいダンジョンってことになる)


まだ発見されていないダンジョンの危険性としてダンジョンが大きい場合、ダンジョン内における魔物の間引きがすんでおらず、大量の魔物がダンジョン外へあふれ出すスタンピードの発生する確率が高いために危険とされている。


逆にダンジョンが小さい場合には、あまり危険な魔物が発生せずに安全に中の宝箱をあされる可能性が出てくる。


ダンジョン自体まだよくわからないことも多いが、一説には神々が与えたもうた祝福とも試練ともいわれているし、偉い学者が言うには一種の生命体であり宝や魔力を餌に人類や魔物をおびき寄せて捕食している魔物だともいわれている。


(まだ新しいダンジョンだとしたら小さい可能性がかなり高い、そうすりゃ安全に金貨や銀貨の一枚や二枚見つけられりゃあ儲けもんだ)


男は危険と承知の上で穴の中へと一人入ってく。

穴の中は石造りの通路が続いており、通路全体がほのかに明るいため、ランタンやたいまつなどの光源が幸か不幸か必要なかった。


男は慎重に罠などがないか見て回りながらダンジョンを探索していく。


(やっぱり入ってすぐに魔物と出会わないことからもここはできたばっかしのダンジョンで間違いなさそうだ、一層に罠があるとは聞いたことはないが警戒して損はないだろ)


「チュッチュ」


(うん、ようやくお出ましがビックラットかよ、なんか期待できねーかもなこのダンジョン)


男はようやく現れた魔物に対して、若干の肩透かしを食らいながらビックラットに対峙する。


このビックラットという魔物はその名の通りネズミが魔力によって成長し大きくなった個体であり、浅層の森や都市の下水付近にも表れる魔物であり、個体によっては成人前の子供の小遣い稼ぎに使われる弱い魔物代表の一匹であった。


男にとっては倒しなれた相手であり、さほど苦戦もせず倒すことができたが金になる獲物がいないことへの失望感がそこにはあった。


その後も時々現れるビックラットを倒しつつ奥に奥にと進んでいくと分かれ道のある小部屋に差し掛かった。


男がすでに進んできた道と反対側に一本さらに、進むことができそうな奥の道が広がっている。


(結構歩いてきたしもうそろそろ二層についてもおかしくねぇ、そのまままっすぐ行って安全を確保しとくか)


男は奥へと進むことができる通路を選択し進んでいく、その先はなんと行き止まりの部屋であり、ダンジョンの終了を示していたが、そのご褒美といわんばかりに小部屋の中央に小さい革袋が落ちていました。


男は警戒もせずに中央に行き革袋の中身を確認すると中には銀貨と銅貨の輝きが見える。

これだけで今日一日の頑張りが報われる、そう男が考えていた背後から小さく息を殺した者の鳴き声が聞こえてきた。


「……ぐぎぅ」


男が振り向いた時にはうめき声の主はもうすぐそばまで来ていた、そして、視界に広がるのは小さな緑色の魔物がこちらに迫ってぶつかってくる瞬間であった。


ぐさり、、、、、衝撃が腹の中心に来たとたん痛みよりも先に、熱が来た、熱い熱いそして痛みが遅れて命の危機を知らせてくる。


それはさびた短剣だった、緑色の怪物ゴブリンが突き出したさびた短剣は腹の中心に深く突き刺さっていた。


「くそぉ、どっからきやがったこのゴブリン部屋の中にはいなかっただろうがふざけんなてめぇにころせれるかよ」


しかし、腹に突き刺さった短剣は無情にもゆっくりとでも確実に男の命を削っていく、最後には確実に死に絶える男の様子をゴブリンはにやにやとその醜悪な顔をゆがめて笑っている。


「はあーはあーくそが来るんじゃねぇよ」


ナイフを振り回し威嚇するが、それもだんだんと弱くなる。


「カラン」


ナイフの落ちる冷たい音がダンジョン内に響いていく、こうしてゴブリンは新しい獲物を持ち男の死体はダンジョンが吸収して養分にする予定であった。はずだったのだ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ