6,穴の外
うっそうとした森があたりに広がっており、あたりには鳥の鳴き声が響きあっている。
時間にして太陽の位置から考えて真上を過ぎていることから、二時三時を超えたころだと考えられるが正確な時間はわからない。
目標としていた空間からの脱出はすることができた、しかし、この先の指針がたてられずにいた。
自分はどうやらゾンビになってしまったらしくこのまま人に助けを求めても助けてもらえない可能性が高い。
それよりなにより身に覚えのない服装から体をしっかりと見てみればナイフの鞘やお金と思われる小銭が入った袋や、何かの葉っぱなどが束になって腰に巻きつかれている。
どうやらゴブリンが持っていたナイフの持ち主は自分であったらしく、ぴたりとナイフは鞘に収まった。
格好だけ見れば異世界ものにおける駆け出し冒険者とも言えなくもないような格好だが全身血まみれなことを退けばである。
他の荷物も見当たらなかったことから近くに人の生活拠点がある可能性が高い。
そのためには今すぐにも血を落としてしまいたいが、あいにく川の方角などわからない。
どうしようもなく、誰かに見つかってしまえば訳を話したとしても、信じてもらえないか最悪実験動物か何かにされるにきまってる。
結局この場に残ることが悪手である可能性が高いことから、結局自分はもう一度穴の底に戻ることに決めた。
穴の場所は木の根っこの間と人に見つけずらい場所にあり、なおかつ安全に生活しレベルアップを目指せる環境が穴の中にしかないと考えたからであった。
こうして自分はせっかく出てきた穴の中へと舞い戻り、えっちらおっちらと左右の道があった場所へと引き返してきた。
一度通ってきた道であったため行きよりそう時間はかからず戻ってくることができたが、不思議なことに行きで倒したネズミやゴブリンの死体がきれいさっぱりとなくなっていたのである。
最初はほかの生物が持って行ったかと考え、慎重に歩いていたがどうやらその気配もないらしい。
こうなると、ますますこの穴の中の空間が怪しい場所として危機感を募らせる。
もどってきたのは間違いだったかと軽く反省しながら、今の自分は動く死体であると開き直りつつ足を進めていく。
こうして分かれ道に戻ってくると、右の道へと探索することとなる。




