4、空腹感
「はぁはぁぁはぁ」
やらなきゃやられていた、それでも生物を殺したという実感が遅ればせながらやってくる。
軽く吐きそうになりながらも改めてゴブリンを観察してみる。
服は履いておらず陰部が全部丸見えだ、持ち物はナイフだけでありこの場所のヒントになりそうなものは持っていない。
自分の状態といえば切り裂かれた腕は痛みを覚えず、心臓はその音を辞め体は鉛のように重いだけである。
『レベルアップしました』
突如として頭の中に響いた声にびくりと体を震わせる。
レベルアップだと確かにそう聞こえた、頭の中に響いてどうなってるんだ、まるでアニメか小説の中の異世界転生やゲームの中に入り込んだみたいじゃないか。
荒唐無稽な想像に一瞬頭が痛くなりそうだったが、それでもそうとしか言いようがない状況が目の前に広がっている。
じゃあまるで何か自分は知らない間に転生なりなんなりしていきなり死んで動く死体にでもなっちまったっていうのかよ。
そんなのありかよ、ふつうこうゆうのは神様からチートもらって楽に俺つえーしてハーレム築いていくもんじゃねーのかよ、なんだよ、しょっぱなゾンビって。
頭を抱えてこれからどうしようかと考える。
無理だここからどうにかできるとは思えない、もう死んでるのかもしれないがどうしたって人間にあったら殺されて終了だ。
どかり、絶望と疲労感からその場で座り込んでしまう。
目の前にはさっき殺したゴブリンの死体が転がっている。ごくりなぜだか無性に腹が減る。
待て、自分は今このゴブリンを食べようと考えたのか、いくら何でも冗談だろそうださっき自分で言っていたじゃないかまるでゾンビだとそれでも相手はゴブリンだぞ。
その場の静寂が余計に空腹感を思い出させる。
ここでゴブリンを食ったら決して人間にはもどれなくなってっしまう。
思いとは裏腹に体はそうするかが本能かのように腕を伸ばしゴブリンの右足をそっとつかんだ。
ゴブリンのふくらはぎを喰う。
かみついた瞬間に臭い血があふれ出し喉を潤していく。そこからはもう何も考えられずに夢中になって喰らいついていた。
ゴブリンを半分食い散らかしてやっと空腹感は収まった。
『レベルアップしました』
またまた謎のレベルアップがあり、どうやら生物を殺したり、食べたりすることでも達成することができるようだ。
それにしてもこれからどうしたらよいのか本当にわからなくなる。
ここから出ようにもさっきのような怪物がいるたびに命の危機に瀕していてはいくつ命があっても足りない。
やはり、カギは謎の声が告げるレベルアップしたという言葉であり、自分の想像通りなら力や素早さが上がっていくのだろうと考えられる。
ならばやれることは一つだけだ、残ったゴブリンの死体を平らげ錆びた短剣を捨て、新しいナイフを持って生き物を殺していくしかないだろう。




