4-6小説投稿療法:物語の癒しの力
役には立たないけれど小説投稿療法なるものを語るにおいて
まず、物語のもつ力を話さなければならないと思う。
物語は欠けているものを補おうとする力が働く。
成長譚を考えてみればいい。
自分の作品を例に出してみると『異世界テキサスホールデム』では、金が力だと思っている主人公が、感情が力だと思っているヒロインに出会って、金が全てではないのかもなと「変化」していく物語になっている。
キャラクターには何らかの欠点を持たせることが創作論では勧められる。そしてその欠点を「克服」し、「変化」してハッピーエンドになる。そして主人公の変化に共感して感動したりする。
物語には癒やしのちからがある。
――これは自分だけでない。色んな人が言っていることなんだけれども。
ただ、単純な修復のような機能だけではなさそうなんだ。
映画のホラーを考えて見て欲しい。俺は怖くて見きらないけど、ソウなんかはグロテスクなシーンが目白押し
で、スプラッターが好きな人に言わせるとあれは人間賛歌らしい。
残虐な非日常の世界を見せられることによって、変化のない平凡な日常もささいな幸せを感じられる。
なるほど確かにと思った。
だから、物語というのは読者の現し身が冒険することによって得られる何かなのかもしれない。
だけれども、後者のようなホラーは小説投稿療法には使わない。
ハッピーエンドしか目指さない。
なぜなら登場人物は全て(例外はあるけれど)自分だからだ。自分をどんどん例えば殺していったりなんかしたら癒やしとは全く逆の行為になるよね。
だからハッピーエンドを問題を抱えている今の自分たちが目指す物語にしなくてはならない。
J.L.モレノの心理劇というものがある。たしか即興劇で色んな人が演技して癒やされるかなんかだったような気がする。
まあここでいいたいのは問題を抱えた登場人物達が即興劇で物語をハッピーエンドにする為に動いていくということだ。
登場人物には役割を与えるといい。父性だったり母性だったり、葛藤する自分だったり、アニマ、アニムスつまり男性性や女性性だ。
例外は自分の悩みの中心となっている人物を登場させてもいいと思う。
自分の場合は元カノだった。ひきずってたんだね。今でもかもだけど。
そんでハッピーエンドにする為に俺はどんな物語を書いたと思う?
答えは「心中物」
結ばれない男女が命を絶つ物語。を題材にしていた。
物語の中で深夜に鳥居を手を繋いでくぐらせた(死のモチーフ)
それでなんだかんだあってハッピーエンドになって完成した時にカタルシスを感じるとともにこういう物語だったんだって気づきを得る。
俺の場合は、このまま引きずっていても幸せになれないから、殺してでも先に進むよ。互いに元気でな。っていうようなメッセージを受け取ったんだ。
私小説とファンタジーを合わせたやつで、小説家になろうでしか公開していないけど『ブラック・ボックス・ファンタジー』っていう名前の作品。おかしな自分をおかしなまま保存しようとした作品だから読むのはおすすめしない。
書いてるとき何回も泣いたっけな。だから癒やし効果はある。創作・芸術活動全般に言えることだけど。
ところでこの作品何字だと思う?
10万字超えているんだ。カタルシスを得て、気づきを得て、コスパ悪いよね。
あとパンツァー(物語を即興で書いていくタイプ)寄りにちょっとだけなる気がするよ。
気が向いたのなら自分のために自分だけの物語を書いてみるのはどうだろう。
あとね、副産物として自分がどういう物語に面白いと感じるかがはっきりとわかった。
そりゃあ自分のためだけに書かれた物語ができあがるからね。
問題ある現状の自分の分身達の「欠点または現状」を「変化」させて「ハッピーエンド」にさせる。
これが小説投稿療法。
――時間はかかるけどね。




