1-8 心理規範その1:ジャンプ系主人公の功罪
あまり正直筆が乗らないのだけど、……その理由は情報の確度が不確かだからだと思う。
「心理規範」という言葉がある。いやないのだけど、ここではこの言葉を使おうと思っている。
「心理規範」とは自分が心に誓ったマイルールのことであり、自分の行動指針として自らに誓ったルールということにである。認知行動療法というのを知っている方はおや、と思ったかもしれない。認知行動療法というのはものの見方や考え方の習性によって行動の変容をはかるというものだ。
ただ、ものの見方や考え方って具体的にはなんなの? って話で、実際にそこに踏み込んだ実例を示しているものは……医者の間で専門書やペーパー(論文)として出回っているが、一患者としてその情報にアクセスはしにくいと思われる。恐らく事例としてどっかに蓄積されているとは思うが、そもそも自身の考え方なんてセンシティブなものそう簡単に治療者と共有はできないと思う。言語化できない部分もあるだろうし。ここでは自分の「心理規範」を紹介するが、一個人の事例なので、それは了承してほしい。仮説というか不確かな部分がシーズン1と違ってでてくる。前置きが長くなったが、早速紹介しよう。
『ジャンプ系主人公の功罪』
ジャンプ系主人公は子供のセンシティブな時期に多大なる影響を与えるものだと思う。ジャンプ系主人公はいわゆるヒーローが多く、何かとバトルをしている時が多い。悲しいときも辛いときもすぐに立ち上がって、すぐさま敵に再び挑んでいくものである。
問題は感情と不一致の行動が良しとされている点である。
『つらい時ほど笑え』
これは、泣きながら笑っているようなシーンでどの作品かは分からないが、よく創作ででてくるシーンだと思う。主人公が辛い環境を乗り越え、再び動く、なるほどカタルシスはあり、心が動かされるものである。これは全世界の少年が憧れ、模倣するのもうなずける。
……が、……がしかし、危険ではないか?
泣きたい時は泣き、怒っている時は怒る……感情そのものを出す方が心理的には健康なのではないか? と疑問に思っている。
この「心理規範」を手に入れてしまった人間がどういったことになるかを私個人の体験からお話しよう。
マクドナルドでバイトしていた時のことだ、たしか何らかの失敗をして、めちゃくちゃ悲しくなったことがあって、つらいみたいなことをこぼした時、同じバイトのクルーから「でもお前笑ってるじゃん」って言われて愕然として鏡を思わず見てしまった。
喧嘩になったこともある。バスケでうまくできず、つらくてそれを押し隠すために笑っていたのだろう。「なにへらへらしてんだよ」とぶん殴られた。
ジャンプ系主人公がやるのは格好いいかもしれない……だが影響されやすい(私はめっちゃ創作物に影響されやすい)人間にとって、ジャンプ系主人公のよくやるムーブ『つらい時ほど笑え』は危険なのではないか?
めっちゃ一部の人間にとって悪影響なのではないか?
そう思ってしまうのである。
また、脳には笑う表情を無理矢理つくると楽しい時の神経回路が作動するというのを聞いたことがある(違ってたらごめんなさい)、だからストレス耐性は上がるかもしれない。これがメリット。
デメリットは……
普通に考えて……悲しまなきゃいけない場面でへらへらしている気持ち悪い人間となっていることだ。喧嘩みたいなトラブルも舞い込む。ちなみにこの後俺は部活動をやめている。……ああ、バイトも長続きしなかったな。
俺が主張したいのは、認知行動療法において、ジャンプ系主人公がよくやるムーブ『つらい時ほど笑え』は青少年の育成に多大な害を与えているのでは、という危惧である。
また感情の不一致が、『つらい時ほど笑え』がつらいときに笑う脳の回路が作動して、逆に笑う時に『つらい回路』が誤作動してしまう時はないのだろうか? そうなった場合、間違いなく狂う方向に人生は向かっていく。
ジャンプ系主人公が明日の精神障害者をつくっているのかもしれない。




