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5日目の検討

前回、前提条件を無視して光魔法を習得した

 いやまあ、1000ポイントもあるんだからスキルレベル2ぐらい取れよって話だが、現状はペナルティーレベルを維持するか迷っている所だし、もしペナルティーを全部解消するのなら残るスキルポイントは100しかないのだから3属性のスキルレベル2で消費する10ポイント×3は貴重だろう。


「光魔法が使えるなら闇属性のペナルティーは無視できるか?」

 暗い場所で灯りライトを維持できるなら闇属性の大弱点は表に出ない。

 それに上級属性だけあって、バフも治療も攻撃も一通り揃っている。

 治療を覚えられるので水魔法の習得は後回しにできる。

 同様に火魔法もと言いたいが火属性の大弱点は残すわけにはいかない。


 スキルレベル2で攻撃魔法を覚えられるのだから使える人数は非常に多い。

 おそらく魔物も弱いうちから火属性の攻撃魔法を使えるものもいるだろう。

 魔法でなくても例えば火のついたたいまつで殴り掛かられたら、おれにとっては一撃必殺の魔法の武器に相当する。


 火魔法のスキルレベルを―1に。

 火魔法を使用不可にしてまで1スキルポイントをケチることもないけど、1スキルポイントというのは本来なら数日かけてひねり出す貴重な物だ。

 1スキルポイントあれば『鑑定』も『収納』も覚えられるように、他にも同じように有用なスキルがあるかもしれない。


 これで光魔法と火魔法の大弱点を消して耐性の半減も解消した。

 光魔法に110ポイント使って光魔法を1レベルに。

 火魔法は99ポイントに抑えて―1レベルだ。

 残り791スキルポイント。


 灯りに加えて回復魔法も使う予定なので光魔法は2レベルまで育てたい。

 それにしても光魔法のコストがでかい。

 基本属性の10倍のスキルポイントがかかるので10倍は働いてもらわないと割に合わない。

 それに、しばらくはソロだろうから物理攻撃も必要だろう。


「剣、か?」

 斬って良し突いて良し、携帯性もよく見栄えもいい。

 人気があるから武器屋でも品質も数もそろっている。

 まれに出回る魔法の武器も剣がほとんどだ。


 槍はリーチに優れ中衛向き、斧は固い敵や金属鎧などに強いだろう。

 どちらも守勢に回った時、防御に使いにくい。


「やっぱり剣か」

 剣なら安物だけどすでに持っている。

 『剣技』に100ポイントで3レベル、『光魔法』に90ポイントつぎ込んで2レベルにした。

 これでだいたい戦えるだろう。

 だいたいどころかこちらの世界では100レベル相当の達人と大魔術師だ。


 601ポイント残ったが、光魔法の呪文をいくつか取ったらしばらく保留しておこう。 属性の大弱点がいくつも残っているのは不安だし、少しでも危険を感じたらその場で大弱点を解除するつもりでいる。


 光魔法の呪文は、1レベルが『灯り』2レベルが『祝福』と『感謝』。

 『祝福』は攻撃バフと継続回復、水魔法の『治療』とは違って自分にしかかけられない。

 『感謝』1日持続する幸運バフ・・・、と説明にある。

 ステータス上で確認できないため効果は漠然としている。

 2レベルの呪文の取得にはスキルポイントの消費が90必要なので『感謝』の方は取れないか、とあきらめたが『祝福』を取得すると自動的に『感謝』も取得できていた。


 2つセットというか、光魔法の2レベルすべてを取得するための90ポイントだったようだ。

 それにしても2レベルの光魔法を使おうとするだけでスキルポイントの消費がえげつない。


「合計で200ポイントなんて誰が使うんだよ」

 バランス調整間違ってるだろ。

 『灯り』を使ってた子はどういうつもりで取ったんだろう?

 単に光魔法が使いたかったのか、使い続ければスキルが成長すると思ったのか?


「成長するにしてもどれだけかかるんだか」

 スキルポイント換算で90、スキルポイントにレベルと同等の重みがあるなら『灯り』ばかりを使い続けてレベルを90に上げる位の年月が必要だろう。

 その上でスキルレベル2の魔法を覚えるために90のスキルポイントも必要になる。

 無理ゲーだ。


 すでに無理があるんだけど、基本属性の3レベルや上級属性の2レベルで合計100のスキルポイントを消費するってことは次のレベルは1000? その次1万!?


 絶対このゲーム、バランス調整間違ってるよ。

 クラスメイトの中には魔法スキルに極振りした奴もいただろうに、100を1属性に割り振ったとして3レベル、プレゼントされたスキルレベルで4レベルになっても使える呪文はせいぜい2レベルまでなのか。


 魔法の限界を感じながら将来的に何のスキルを取ろうかとスキル習得画面を眺めていた。

「ん? 空間魔法と時間魔法は上級属性の2つ上になるのか?」

 これが最上級だとして習得するためのスキルポイントは200。

 それだと100の次は200になるのかもしれない。


「いや、変わんねえよ」

 1レベルで1しか獲得できないスキルポイントを100単位で消費させるゲームがどこにあるんだよ。


 バランス的に基本で3レベル、上級で2レベルまで上げたらスキルの成長は止まる。

 それにしては呪文の数が少ないんだけどそれはスクロールとか手に入れて自力で覚えるのかな。

「レベルアップで覚えるかもな」

 そのあたりもこっちの世界の人から情報を集めてからスキルを習得すればよかった。


「行くか、冒険者ギルド」

 何となく手ぶらでも行きづらいので、先に薬草を採取しに行く。

 手付かずの森の奥まで入っていくと少し薄暗くなっていた。

 この環境で敵に遭遇したらまた視界が塞がれてパニックになるだろう。


『灯り』

 魔法を唱えて木の枝に宿らせる。

 やたらまぶしくて太陽を直接見るような強い光だった。


「大弱点を解消したのに目が潰れるところだったよ」

 前に見た『灯り』は1スキルレベルの効果だったのだろう、その時も目が潰れたが今回の明るさはその時の10倍はある。

 この辺りだけ昼間の明るさになったから光に弱い魔物も近づく気をなくすだろう。


『灯り』のおかげもあって魔物に邪魔されることもなく薬草の採取を進め、途中で気が付いて『収納』も取得した。

『SP1000ー500=500』

 さっき601にした後光魔法の呪文を取って1レベルが10、2レベルで90消費した。

 で、今『収納』を取ってちょうど500だ。


 周りを気にしながら採取を進め、昼頃には切り上げて街に帰った。

 冒険者ギルドで買い取りをしてもらい、世間話のように魔法について尋ねる。


「魔法の種類って少ないですよね、魔法使いの人は大変じゃないですか?」

「そうですね、成長するまでは大変ですけど、レベルアップで新しい使い方を覚えますからそれからですね」

 やっぱりレベルアップで覚えるのか、魔法のスキルレベルはそれに上乗せするだけで、基本的な成長はレベルアップでするんだな。


「本格的に魔法を伸ばすのであれば転職することも視野に入れておいた方がいいですし」

 ふんふん、転職!?

「転職があるんですか?」

「ええ、この街では無理ですが、魔法都市ルミナスまで行けばレベル30以上の方は魔法使いに転職出来ますよ」

 レベルの制限と決まった転職の場所。

 条件はあるが何らかの職業につけば能力値の成長を物理攻撃の特化とかに偏らせることができるのか。


「転職すると何かいいことがあるんですか?」

「能力値がその職業向きになりますね、それにスキルの習得が楽になります」

 なんだって! あの鬼畜難易度のスキル習得が?


「ど、どのくらい?」

「・・・魔法使いであれば魔法スキルの習得に必要なスキルポイントが30%割引されるようです」

 前のめりなおれに体をのけぞらして答える受付の人。

 30%というと100ポイント必要なところを70ポイントに抑えられるのか、結構でかい。


「転職条件は公表されていませんが、属性特化の魔法使いもいらっしゃるようですよ」

「ふんふん」

 属性特化というと火魔法特化の火魔法使いとかになるのか、火魔法に限って5割引きとかでスキルを習得できるのかもしれない。


「わかりました、ありがとう」

「いえいえ、またどうぞ」

 後ろに人が並んだ気配がしたので話を切り上げる。

 だいたい聞きたいことは聞けたしそれ以上の収穫もあった。


「情報は大事だな」

 換金を済ませて冒険者ギルドを出ながらつぶやく。

今月は以上です。

今後ともよろしくお願いします。

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