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穏やかで平和なとある小さな村に
少女 エレーナが住んでいる。
エレーナは15歳。生まれてから一度も青い空を見た事はない。
しかし、視界に命あるものが入ると魂のような、ふわふわしたものが映る。
その魂の形はそれぞれで、丸まってたり、角張っていたりする。
色もそれぞれ違って魂の形や色でエレーナはそれが何であるか区別することが出来る。
人とは違う特殊な体質に生まれ育ちましたが、彼女は不幸とは思っていなかった。
彼女には兄のルーカスがいる。
兄のルーカスは妹のエレーナをとても大事に優しく接していて、エレーナはそれだけで幸せだった。
ルーカスの親友クロード、村の皆もエレーナに対して自然に接してくれていた。
兄のルーカスはエレーナの目を治療出来ないかと物心ついた時から悩んでいた。
親友のクロードにも度々相談して、いずれは旅に出て治療方法を探そうと決めていた。
今日は、そんな話をエレーナにしようと決断し話す勇気を絞っていたところだ。
「エレーナ、話があるんだ」
ルーカスは真剣な面持ちでエレーナに話しかける。
「どうしたの、兄さん?」
エレーナはいつにも増して真剣そうな兄の態度に少し驚きながら返事をした。
「実はな、エレーナの目の治療方法を探す為に旅に出ようと思うんだ。クロードと何度も相談して決めたんだが、一緒に行こう」
エレーナは突然の誘いに動揺しつつも、クロードの方にも顔を向け、同意の意思があることを察する。
「そうなんだ・・・。私は今のままでも幸せだよ?旅に出たらきっと危険なことや苦労することがいっぱいあると思うけど、それでも良いの?」
そのエレーナの言葉には、暗に自分の目が見えないことも含めて、確認しているようだった。
「大丈夫だ。親友のクロードもいる。計画もしっかり立てた。だから心配いらない」
クロードとルーカスの力強い意思を感じ、エレーナは二人の覚悟を無碍にしてはいけないと思い決意した。
「わかった。兄さんとクロードが居れば私も頑張れると思う。一緒にいくね」
エレーナは信頼の表情とともに頷く。
「よかった、実はもう旅の準備はほとんど終わってるんだ。あとはエレーナの意思を確認するだけだった。旅に出る時に村の皆に挨拶だけしなきゃな」
ルーカスとクロードは準備していた荷物を持つ。
「よし、これで全部だな」
ルーカスはバッチリだ。っと頷く。
「おい、これ忘れてるぞ」
クロードが1つの荷物を持ち上げルーカスに渡す。
たまにうっかりする癖があるルーカスをフォローするのがしっかり者のクロードの役目であったりする。寡黙で頭もよい。
「あぁ、すまない。助かるよ。」
クロードから荷物を受け取り、いよいよ旅が始まる。
村の皆に挨拶する。
「皆、行ってくるよ。」
ルーカスは皆に向かって手を振る。
エレーナとクロードも合わせて手を振る。
「行ってらっしゃい。無事に帰ってくるんだよ。」
村の代表の人が温かい言葉で送り出したくれた。




