1話 ヒロイン
私が誠と出会ったのは、一年生の入学式の時だった。でも親しくなったのは二年生の二学期だ。確か席替えの時だった。とても気さくに話しかけてくれた彼に、私はいつの間にか惹かれていた。そういえばあの時も大分上の空だった気がする。何度好きと言いたいと思っただろうか。何度手を繋ぎたいと思っただろうか。何度一緒に帰りたいと思っただろうか。それが叶ったのは冬休みのことだった。二人きりでカラオケに行った時。突然の出来事だった。歌なんかろくに歌わなかった。ずっとしゃべっていた。最高だった...としか、言葉が出てこない。あの少し緊張した空気。あいつの恥ずかしそうな笑顔。幸福の極みだったがもう二度と経験することはないだろう。
それからは毎日一緒に帰った。冷やかしを受けても気にならなかった。私はただ、彼の隣にいることが幸せだった。その二月、本命のプレゼントを作ったのはもちろんのことだった。そして一昨日、そういえば今年受験だけど、一緒に頑張ろうな。といってくれたのが...今の状態に至るわけだ。
ははは。悲劇のヒロインになったということか。悲劇。それは第三者が見るから感動的なのだ。悲劇のヒロインの気持ちになったことは皆あるのだろうか。例えばそう、ロミオとジュリエット。ロミオにしてもジュリエットにしても、二人は本当に辛いのだ。そこを第三者は目をつぶり、結ばれなかった美しい恋の話としてとらえる。人間というのは勝手なものだ。私だって昨日のこの時間、ロミオとジュリエットを見たら、結ばれなかった美しい恋の話としてとらえるだろう。肝心な点には目をつぶり、何が美しいだと言うのだろう。所詮は他人事なのである。それが自分事になったとたんにこれだ。今日から私は、咲湯波美鳥改めジュリエットだ
さあさあ( ´∀`)/~~第2章でございます!
次回は2020,5,15,AM9時に投稿予定。お楽しみに!!!
そして新作小説「僕はあの娘になって君に恋をしたい」をこのあと2020,5,14,23時に投稿予定!こちららは不定期投稿となりますが、是非お読み下さい!




