5話 僕のストップウォッチ
「作並先生。誠はどうです。」
「ああ、碧海さん。ここ3、4日が山場でしょう。今、呼吸はしているんですが、相変わらず意識はなく、植物状態なのです。」
「そうですか...ああ何で、何で誠が。」
「碧海さん、落ち着いてください。私たちも最善を尽くしますから。」
「作並先生、どうぞよろしくお願いいたします。」
...何が起きたのか。あのとき交差点に飛び出した僕は、見事にトラックに跳ねられたそうだ。しかし不幸中の幸いか、怪我は腕を骨折しただけだった。そう、怪我は。僕はその時、5mも飛ばされて、全身を強く打ったのだった。その結果がこれである。右腕骨折、そして、植物状態化。よくまあ死なずにすんだものだ。人の体は案外丈夫なものなんだなと思う。
僕が今いるのは、水口市立東病院である。水口市の台所は火の車と言うことで有名だ。そう、つまりこの病院も金がないのである。あのなにかと世話焼きな家の母は、息子が適切に治療を受けられるか心配していることだろう。家の母と父は、はっきり言って正反対な性格で、世話焼きな母にたいし、父は寝るために家に帰る。そういう人だ。それでも夫婦仲は、割りと円満な方ではあったと思う。謎目いた家族だと自分でも思うが、どこか安心できる家でもあったのだ。あの父親は、どんな顔をして見舞いに来るのだろう。何はともあれ、両親が見舞いに来てくれるほど心強いものはない。
ただ、欲をいえば咲湯波さんに来て欲しい。理由は...つまりそう言うことだが、今の僕には、そんなことを伝える手立てなどない。
今日はこれまで!次回は2020,5,14午前9時に投稿します。(*・∀・*)ノ




