2話 白夜
たい空気の中電車を待つ。今日は御厨くんの最寄り駅で待ち合わせをしている。やっと来た列車に乗ってすぐ降りる。改札を出る。
「美鳥、おはよう。」
「そろそろこんにちはじゃない?」
「いやいや、10時半だからおはようだよ。」
他愛のない話をしながら御厨くんの家に向かう。十五分くらいで、ある一軒家に着いふた。私の家はマンションなので、一軒家というのはとても広くて憧れるものだった。実際、御厨くんの家はなかなか洒落た家だった。
「さあ上がった上がった。」
「お邪魔します。」
中も本当にきれいだ。そして広い。狭くて汚いマンションに住んでるせいか、余計にそう感じる。そういえばあいつの家に行ったことはなかったな。午前中はゲームをして過ごした。彼に負けると、私はわざと、彼の膝に倒れ込んだ。彼は照れくさそうに笑う。コンビニで買ったサンドイッチを近場の公園で食し、午後は違うゲームをして遊んだ。
「そういえば美鳥、今日何時までいいの?」
「父親は12時くらいにならないと帰って来ないから、補導されないくらいの時間までに帰れれば何時でもいいよ。」
「それじゃあ、10時くらいまでかな」
「私はそれで良いけれど、御厨くんは?」
「父さんはやっぱり12時くらいまでかな帰って来なくて、母さんは今日は大学時代の友達と遊びに結構遠くまで行って終電で帰って来るから大丈夫だよ。」
...素直に嬉しい。思わず彼に抱きついた。腕を背中に回してぎゅっと抱き締める。一種戸惑いの表情を見せた彼もそっと私を抱き寄せてくれる。一瞬にして彼に溺れた私は少しくらい良いじゃないかと、年頃らしいことにチャレンジしてみる。彼の顔にそっと口を近づける。察しのいい彼は私のしたいこと理解してくれて、口をくれる近づける。私たちはキスをかわす。そして抱き合う。彼のぬくもりがはっきりわかる。
何者かに奪われたかのように、時間はあっという間に過ぎていく。一勝負ついて夕日が指したのに気が付き、二人でベランダに出てみる。真っ赤に燃える西の空。そして東側には、大きな月が。しばし、言葉を忘れて夕景を眺めた。しばらくして、御厨くんが言う。
「月が綺麗ですね。」
え?と御厨くんの顔を見ると少し笑っていた。ああ、あれか。意外とロマンチストじゃないか。少しくらいと私の心がささやく。私は彼にカマをかけて見る。
「ずっと見ていたいね。でも少し肌寒いな。」
彼は無言で私を抱き締める。このまま時が止まれば良いのにと私は思う。彼をここまで独り占めできるなんて、私はなんて幸せ者なんだろう。ふとある考え、いや、欲望が頭をよぎる。私はすぐさまそれを打ち消す。まだ早い。まだ早いぞと。でも、そうなりはしたい。
部屋に戻ると私たちは静かになってしまった。少し緊張した空気が流れる。でもそれは一瞬だった。突然彼がキスを仕掛けて来た。やっぱりそんなこと考えてたんだ。少し恥ずかしいけれど、とても嬉しい。私もキスに応えていく。そのうちに彼が舌を突っ込んで来る。一方的に攻められてく。そのうちに彼が体重をかけて来る。私もわざと少し耐える。そして折り重なるように倒れる。無言で彼が見つめてくる。言わずともわかる。”許可”を求めているのだ。私も無言で答える。彼が電気を常夜灯にする。オレンジ色の光が薄明かるく点灯する。境界が曖昧になる。男性は刺激を求めて行う行動も、女性にとっては、安心感等を確かめ会うコミュニケーションの一つなのだ。私が求めているのは、心の隙間を埋めるもの。私は、彼と一体になっていること。私たちの境界が無くなったことが嬉しくて、恥ずかしくて、でもやっぱり幸せで、ドキドキするのだ。大好きな御厨くんと一緒になれたことが、達成感、幸福感の波となって私に押し寄せてくる。私たちはもう一度キスをして抱き合う。お互いの体温をはっきり感じる。これほどの幸せを感じたことが、かつてあっただろうか。ホワイトクリスマスだった去年。今年は愛を確かめ合った、神秘的な、”白夜”となった。
何故クリスマスは、カップルが一緒に過ごす日になったんだろう?彼氏居ない、そして季節感もない(;・ω・)
さて、今回はなんだかハードでしたがいかがでしたでしょうか?次回は明日2020,5,20午前7時に投稿致します!時刻が変更されましたのでよろしくお願いします~。
wacca




